すべてのゴールは、息子のために。父親としてのネイマール
2014/08/04
W杯でも活躍したブラジル代表のFWネイマール。 19歳で未婚の父となった彼が何よりも真っ先に考えるのは、愛息ルーカくんのこと。 愛情をたっぷり注ぐ、一人の父親としての姿を探った。
父親から受けた愛情を 今度は愛息ルーカへ
4月27日、スペイン1部リーグ、リーガ・エスパニョーラ第35節ビジャレアル対バルセロナの試合中、バルセロナのDFアウベスが観客からバナナを投げこまれるという人種差別行為を 受けた。その出来事を受けて、世界 各国のスター選手らが続々と人種差 別に反対する意思表示として、バナナを手にした画像をソーシャルメディ アに投稿。ネイマールもまた、(人種差別に)屈しないという意味を込めて、自身のInstagramでアウベスを支援した。
彼が投稿したのは、息子のルーカ君とともにバナナを持った写真で、「僕たちはすべて同じ、みんな同じサルだ。 人種差別なんてしない。2014年にこんなことが起きるなんて、恥ずべきことだ」とのコメント付き。人種差別 反対のバナナの輪は、その後、サッカー選手を中心とした大きなムーヴメントとなっていったのである。
そんなネイマールが父親となったのは、ブラジル・サントスに所属していた19歳の時。当時の恋人との間に、 愛する息子ダヴィ・ルーカ君を授かり、未婚の父となったのだ。以来息子への愛情を、隠す事なくメ ディアの前でも語ってきたネイマール。 2012年にブラジルのテレビ番組に出演した際には、「どうやって表現していいのか分からないほどの愛情だよ。息子が生まれて、僕の人生は喜 びで溢れている。彼が幸運を運んでくれるんだ」と声を詰まらせて語っている。
また今年1月、ヘタフェ戦で右足首を捻挫した際にも、彼の心を癒したのも、愛息ルーカ君の存在だったよう で、「息子は天の恵みだ。彼が誕生したことで、僕の人生はより特別なものになったんだ」とコメント。度々ツー ショット写真や動画をアップしている自身のInstagram でも、ケガから復帰に向かいつつある日、自宅でゆっくり時間を過ごす、こんな動画がアップされた。
3つのボールを使ってお手玉を披露 していると、パパの姿を真似てルーカ 君も挑戦しようとする。残念ながら パパのようにうまくは行かず失敗にわったが、その愛らしい姿に、ファ ンからなんと8000件以上ものコメントが寄せられたという。 「彼にはメロメロだよ(笑)。いつも側にいたいと思っているし、家にいら れる時はいつも彼と一緒に遊んで、成長を楽しんでいる。いろいろ教えてあげたいし、息子のためになることであれば、何だってやってあげたい。おむつを替えることもやっているよ」…… 自身の自叙伝でも語るネイマール。
実は、自分が父親になると分かった瞬間は、戸惑い、そして恐れも感じていた。まだ父親になる準備ができていなかったのだ。しかし、今では自分が父親から受けた愛情を、同じように息子にも注いであげたいと、心の底から感じているという。
息子が誕生した2011年8月24日。その日から、時間は息子を中心に回り始めた。 「自分のことを優先して考えなくな った。真っ先に考えるのは息子のこと で、彼が喜ぶことを何よりも先に考 える」││ネイマールの視線の先には、 常に愛する息子ルーカがいるのだ。
2014年4月下旬に行われたスペ イン国王杯決勝レアル・マドリード戦 で、またもネイマールは左足を負傷、クラブから4週間に及ぶ戦線離脱が発表され、W杯への影響も懸念された。 しかし、リーグ最終戦では30日ぶりに 出場し、文字通り不安を”一蹴”するプレーを我々に見せてくれた。
今夏、故郷ブラジルで開催される W杯では、大本命ブラジル代表のエースとして活躍が期待されている。
自身のためにはもちろん、愛息ルー カ君のためにも、母国を優勝に導く華麗なプレイで、必ずやスタジアムを 沸かせてくれることだろう。
※FQ JAPAN vol.31(2014年夏号)より転載
(2014.8.4up)
ネイマールが表紙のFQ JAPAN最新号は
夏の外遊びや自然体験が満載!
FQ JAPAN VOL.31 (6/2発売) 2014 SUMMER ISSUE
特集:BACK TO NATURE!! 我が子と自然に還ろう!
FOOTBALL DAD INTERVIEW
5/13 #1 宮本恒靖
5/19 #2 大久保嘉人
5/27 #3 鈴木啓太
6/3 #4 佐藤寿人
6/10 #5 リオネル・メッシ