時事・コラム

各国の少子化 ではなぜ全世界的には人口爆発なの?

日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんにお話を聞く人気連載「里山資本主義的子育てのすすめ」。世界各地で少子化の波が来ているのに、なぜ世界全体では人口が増えているのか?

>>前編:日本人は絶滅危惧種!?少子化の最先端を走る国の未来

中央〜西アジア・アフリカは
未だ少子化せず

以上みたように、東・南・東南アジアと、欧米では、大なり小なり少子化が進んでいる。それでは、なぜ世界の人口は爆発に向かっていると言われているのか。それは、中央アジア、西アジア、アフリカの3地域にはまだ少子化が及んでいないからだ。いずれも、ムスリムが多数を占める地域である。

ムスリムの聖典コーランは、避妊を禁じている。日本でいえば飛鳥時代に書かれたものなので、医療水準の向上した現代にその通りにすれば、人口増加は免れない。ということで、同じムスリム国家でも中流層の形成が進んだマレーシアやイランなどでは少子化傾向が観察される。しかし貿易センタービルテロ以降、ムスリム原理主義が世界に広まる傾向にあり、教え通りに避妊を避ける家庭が増えることで、他の多くのムスリム国家では子供が増え続ける結果となっている。

ウズベキスタンなど中央アジア5ヶ国は旧ソ連圏だが、10%増・133と人口急増の趨勢が続く。ソ連解体はロシアの敗退のように言われるが、このような中央アジアと国を分かったことは、人口急増の中央アジアから少子化するロシアへの人口流入を防ぎ、宗教対立を未然に避けた、賢い選択だったと筆者は思っている。

パキスタンからアラブ諸国、トルコまでを含む西アジアでも、7%増・124と同様の傾向が続く。そしてアフリカでは、13%増・211と、驚異的なペースで「多子化」が進展している。現在12億人弱のアフリカの人口は、10年〜15年後には中国を逆転するとみられる。

だが、この傾向がいつまでも続くとは筆者には思えない。中央アジア・西アジア・アフリカは乾燥地帯が多く、人口支持力には限界がある。貧富の差が激しく中流層の形成が進んでいないので出生率がなかなか下がらないわけだが、長期的な趨勢としては、経済発展に成功して出生率が下がって行く国々と、出生率は高いが経済発展が遅れ死亡率が高くて人口が伸び止まる国に二極分化していくのではないかと思われる。



 

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