時事・コラム

えっ…日本の子供減りすぎ? 人口6000万を切る水準へ

子供の数が減っているのは毎年の「出生数」が減っているから。では出生数が減っているのは出生率が下がっているから……本当にそうであろうか? 日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんにお話を聞く新連載「里山資本主義的子育てのすすめ」。深刻な減少を続ける日本の子供について考える。

深刻な子供の減少から日本人は目を背けている

日本で毎年生まれる赤ん坊は、過去40年間に半分になってしまった。だがそのことは語られず、一般にはほとんど認識されていない。語られないことで、そういう問題の存在自体が、なかったことにされている感がある。

話が似ているのは地震だ。世界で過去に記録された地震の3分の1は日本で起きているそうだ。しかし日本には、地震についてあまり口にしないことで問題自体が軽いものであるかのように扱う、社会的な気分がある。子供が減っていることを「少子化」という難しい言葉で言い換え、何が起きているのか直観しにくくして、余り考えないようにしていないだろうか。

そもそも「少子化」とは何のことで、どこで深刻なのか。日本の都道府県で出生率(ここでは合計特殊出生率:一般的に1人の女性が生涯に平均的に産むと思われる子供の数のこと。以下同じ)が一番低いのは東京都だ。しかしその一方で、「保育所が足りない」「保育園落ちた日本死ね」と話題になったとおり、待機児童問題が一向に解消していないのも東京である。

では東京は、「少子化」しているのかいないのか。東京の現状は少々ややこしいので、その前に日本全体がどうなっているのかを整理しよう。



 

理由は「親の数の減少」と「出生率低下」

「高齢化」だの「少子化」だの、「化」のついた言葉には、「わかったような気にさせつつ何のことかわからなくさせる」という問題点がある。だから私は使わない。「少子化」ではなく「子供の数の減少」とはっきり言うべきなのだ。

そして、子供の数が減っているのは毎年の「出生数」が減っているから。では出生数が減っているのは?出生率が下がっているから・・・だろうか?

話はそう単純ではない。日本の出生率は最近少しずつ再上昇しているにもかかわらず、出生数は増えていないのだ。なぜなら出生数=出生率×「親世代の数」(出産適齢期の女性の数)であり、この親世代の数が年々減っていて、出生率の回復効果を打ち消しているからである。では親世代の数はなぜ減っているかと言えば、今から20〜40年前に、当時の出生率がどんどん下がって、当時の出生数が減った結果だ。

まとめれば、「少子化」とは「子供の数の減少」であり、その原因は、今現在の出生率の低さと、親世代の数の少なさ(つまり20〜40年前の出生率の低さ)、その両方にある。

今現在の出生率は、いろんな努力で上げることもできる。だが親世代の数は、20〜40年前の出生数によってすでに決まっているので、変えられない。そのため、「少子化を止めよう」(子供の数が減るのを止めよう)といっても、簡単にはいかないわけだ。

 

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