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喋らないのは美徳にあらず
“説明力”こそ夫婦喧嘩の特効薬!

人種・時代を問わず、恐らくどの夫婦でも一度はしているのが夫婦喧嘩。〝喧嘩するほど仲がいい〞とはいうけれど、「誰のおかげで飯食えてんだ!」なんて感情的になったら最悪……。それでも起きてしまう夫婦喧嘩、なるべく起こさない秘訣はないの? 上手な仲直り法とは?

FQ読者からテーマとして取り上げてほしいという声も多い”夫婦喧嘩”。 夫婦間のバトルは(ほぼ)ゼロ、良き夫を地でいく鈴木光司が語る 喧嘩の予防薬と喧嘩後の処方箋とは? パパには少し耳が痛い言葉も……。

人種・時代を問わず、恐らくどの夫婦でも一度はしているのが夫婦喧嘩。”喧嘩するほど仲がいい”とはいうけれど、「誰のおかげで飯食えてんだ!」なんて感情的になったら最悪……。それでも起きてしまう夫婦喧嘩、なるべく起こさない秘訣はないの? 上手な仲直り法とは?

男は黙って背中で語ろうとしても
背中じゃ想いは伝わりません

僕は1度も夫婦喧嘩なんてしたことはない。なぜかというと、きちんとコミュニケーションを取れる女性を妻に選んだからね。根本の話でいけば、これが最も重要なこと。あっ、でも1 回だけ、ちょっとした喧嘩をしたのを思い出したよ。

それは僕が小説を書きながら家事育児も担当していた”主夫”時代のこと。ある日、高校教師をしていた妻が疲れ果てて帰ってきたとき、僕が食事の用意をしている間に、布団も敷かずソファで寝転んじゃったんだ。そのとき「オマエ、布団ぐらい敷いてくれよ」と言ったら、ちょっと言いあいになってね。でも論理的に話をしたらわかってくれたよ。それ以来、片一方の家事育児の仕事量が増えすぎないよう、それとなく互いが気遣うようになったんだ。

喧嘩をしないためには、やっぱり密なコミュニケーションが大事だね。自分のことを説明し、相手の説明もきちんと聞く。夫婦ってものはそれぞれ違う環境で育ってきたわけだから、どうしたって多少なりとも価値観にズレはある。それを直すには、どうしてズレが生じたかを論理的に説明・考察するしかないんだ。

もしこの説明を面倒臭がって「家事をしてあげてるのに、うるせえなあ」なんて言ったら、もう最悪。よく「夫婦なんだからわかってくれよ」っていうけど、結局さ、気持ちを説明するには言葉しかないんだよ。日本の男性は、伝統的に喋らないのを美徳と思っている。でも僕は”武士道”とか”背中で語る”とかが大嫌い。日本の男は、今の状況を的確な言語運用で説明するのが苦手だと思う。これは教育の問題でもあってさ、言葉を使って人前でアピールするという授業を小学校から取り入れなくちゃいけない。

どうしても感情的になって喧嘩しちゃった場合? なるべく早い段階で会話を持つことだね。 ここも日本の男の悪しき点でさ、日がたてば何とかなると思っちゃう。何とかなんてならないから(笑)。時間は亀裂を深くするだけ。なるべく早く言葉の手当てをしないとマズイよね。

ただね、すべてのパパが、僕のように倫理的な説明が得意なわけじゃない。それでも熱意や誠意は言葉を費やせば必ず伝わるものなんだよ。僕が昔N.Y.で講演したとき、紙を用意せずに客を見ながら苦手な英語で何とか話しかけた。その後アテンドの人に「ひどい英語だったでしょ?」って聞いたら「いや、英語はたどたどしかろうが、きちんと自分の考えを伝えたいという熱意のこもった素晴らしいスピーチ」 と言ってくれたんだ。

このケースと違って、FQ読者の奥さんは言葉が通じるでしょ? 論理的な説明が苦手なパパだって、決して面倒臭がらずに、自分の言葉でコミュニケーションすること。これを日頃から意識しておけば、自ずと夫婦喧嘩も減るはずなんだけどね。

<作家 鈴木光司の男塾>

第一回 モテる男は夫婦関係も円満モテない父親は山に行け!
第二回 子供の才能を伸ばすために、最初から諦めちゃいけないが、見極めは肝心
第三回 「イクメン」を自認するものは”テーマ”を持って子育てすべし
第四回 浮気はボス猿だけに与えられた特権……で、あなたは本当にボス猿?
第五回 「家族のために仕事を犠牲」はうっとうしい子育て中の父親こそガンガン上を目指せ!
第六回 溺愛されれば、子供はポジティブなオーラを放つそういう子がたくさんいればいじめは減る
第七回 「愛のムチ」は「ただの無知」言葉を尽くせばしつけはできる
第八回 危険をシャットアウトするな!経験を重ねてこそ我が子を守れる

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PROFILE
鈴木光司
1957年生まれ。2人の娘を持つDAD。1990年「楽園」(新潮文庫)で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し小 説家デビュー。その後「リング」「らせん」(ともに角川ホラー文庫)が大ヒット。育児の経験を活かし、「少子化への対応を推進する国民会議」「東京都青少年協議会」の委員も務める。10月に最新作「鋼鉄の叫び」が好評発売中。

※FQ JAPAN vol.18(2011年春号)より転載
Photo >> HAYATO IMAI Text >> KENTA SUZUKI
(2014.12.16up)

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