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インタビュー

サッカー日本代表・遠藤航「サッカーも子育ても最適解を求める」海外での子育てを語る

ドイツ1部のシュツットガルトのキャプテンとして活躍し、今年8月リバプールへ移籍を果たした遠藤 航選手。サッカー選手としての夢を次々と叶えながら、海外で4児の子育てを両立する、その秘訣を独占インタビュー!

子育てもプレーも“正解”ではなく
“最適解”を求める

19歳で結婚し、20歳で父親になった4児の父親、遠藤選手は、「海外での子育て、ホント大変ですよ」と話す。その口ぶりから、子育てを人一倍楽しんでいる様子が強く伝わってくる。「子育ての話なら延々できる」と自信たっぷりだ。

「リバプール行きを家族に伝えたとき、一番驚いたのはサッカーをやっている10歳の長男でした。下の子たちは、『えー、また学校が変わるの?』とちょっと不満げでしたけど(笑)」と、環境の変化に家族みんなが適応してくれていることに感謝する。

練習の合間、子どもたちの送迎、歯磨き、お風呂、寝かしつけをサクサク行い、最近のルーティンは家族の朝食の目玉焼きづくり。妻も手伝い、朝のキッチンでのおしゃべり時間を充実させている。そんな遠藤選手の子育ての秘訣は何だろうか。

「秘訣はないです。いつも悩みに悩んでいますから(笑)。つい怒ってしまって後悔したり。でも最近、少し怒るのを我慢できるようになってきました。子どもたちと向き合うときに気をつけているのは、やりすぎないようにすること。『やって』と言われても、『こうしてみたら?』とヒントをあげると、意外とできちゃうんですよ。自主性を尊重したいと思っています」。

サッカーも子育ても、“正解”ではなく“最適解”を求めるのが遠藤流のプレースタイルだ。

「長男の出産のとき、陣痛中に腰をさすりながら、痛みでイライラする妻に学びました。イライラを全部自分が受け止めよう、と。以来、妻のイライラのクッション役に徹しています。子どものケア、イコール奥さんのケアです」。

「夢を叶えるvs子育て」は
トレードオフではない

「子どもがやりたいことを何でも挑戦させたいと思っています。子どもとはつねに同じ目線で、一人の大人と同じように4人それぞれとガチで向き合っています」。

さすが世界に誇る1対1の高い対応能力で“日本のデュエル王”の冠を持つ遠藤選手だ。プレミアリーグ名門への移籍が実現し、次の目標はどこに設定しているのだろうか。

「自分が目指すキャリアが実現し、次は家族のキャリアを大切に組み、父親としての比率も増やしていきたいです」。

自分の夢を叶えることと子育ては決してトレードオフではないことを体現する遠藤選手。その姿は、世界中の父親たちへこれからもエールを送り続けるだろう。

PROFILE

遠藤 航

1993年生まれ。神奈川県出身。サッカー日本代表。19歳で結婚し、現在4児の父(10歳、8歳、7歳、4歳)。湘南ベルマーレ、浦和レッズ、ベルギーのシント=トロイデンVVを経て、独シュトゥットガルトではキャプテンを務め、2020年、ブンデスリーガ デュエル勝利数1位を獲得。23年8月、英プレミアリーグのリバプールへ。趣味は、マインクラフト、語学学習、株式投資。


文:脇谷美佳子

FQ JAPAN VOL.69(2023-24年冬号)より転載

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