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インタビュー

中川家「あの頃の父がいたから、今の僕らがいる」

映画『アンパンマン』に声の出演をしている中川家の2人に、自身の“父親論”について存分に語り合ってもらった。

子供が落ち込んでいたら。
僕らは、あえてなにもしない。

―― 父親として、子育てにどんなふうに関わっていますか?

礼二 僕は妻に対して余計な口出しは一切しない。子育ての基本路線は一緒だから。僕のモットーは、「ほらオムツ替えたよ」とか「お風呂に入れてあげたよ」とか、いちいち報告してママにほめられようとしないことかな(笑)。

  わざわざ自己アピールしてほめてもらおうなんて、カッコ悪ぅ〜。

礼二 僕、いつも思うんですよ。いちばん大切なことは、かみさんの話をよーく聞くことだって。妻の話って、オチはどこにもないし、ぜんぜん面白くないけどね(笑)。あとは時々、美味しいものを一緒に食べに行ったりとか。これ、大事ですね。

  おまえ、ええこと言うなあ。

―― お子さんや奥さんが落ち込んでいるとき、どんなふうに励ましますか? やっぱりギャグとかで笑わす?

  僕はむしろ放っておきます。失敗したら、いっさいそのことには触れない。何事もなかったように、淡々と、ふつうに。元気を出させるために笑わせようとする気遣いとか、「がんばれ」って、うっとうしい。

礼二 落ち込んでいたら、いつもどおりに接するのがいちばん。僕らの親父は、それが見事だったよね。

  おふくろはヘタクソだったけど(笑)。泣いているおれに「大丈夫、剛?」なんて。その横で親父が「だまっとけ!」と母親に目配せしていて、「あ、おれのことわかってくれている」ってすごく嬉しかった。

礼二 親は子供を心配するのはあたりまえだけど、みえみえだと、うっとうしいと感じる年頃もあるよね。

僕らのヒーローは漫才師。
「人を笑わせるって、カッコええ!」

―― アンパンマンでは「自信をなくしたらいいことだけ思い出せ」と教えてくれますが、2人は壁にぶち当たったとき、どう乗り越えました? その経験を子育てにどう活かしていますか?


  物理的に、場所を変える、ってすごく大事です。状況も変えてくれるから。だから散歩に連れ出したり、どっか食べに行ったりとか。僕らの場合は小さいころ、近くにあった劇場で漫才を見て育ちました。子供のころって、どんなに嫌なことがあっても、漫才で大笑いすると、劇場を出た瞬間、本当にぜ〜んぶ、忘れてしまっているんですよね。

礼二 そうそう、全部ケロっと! 子供たちのヒーローはアンパンマンだけど、僕らのヒーローは漫才師! 「人を笑わせるってカッコええ!」と心の底から思いましたね。

―― 今回の映画のキャラクター「ルンダ」は、ちょっとわがままな女の子のキャラクターですが、お2人は、子供のイヤイヤ期や反抗期に、どのように向き合っていますか?

礼二 うちの6歳の娘は、まさに今「何言ってもダメ」な時期なんで、逆に答えを教えていただきたいくらいです(笑)。娘はちゃっかりしていて、僕よりずっと、うわて。かみさんに食べちゃダメといわれたお菓子を僕のところに持ってきて「パパ、一緒に食べよ〜♡」って誘うんですよ。僕を共犯に仕立てる。で、かみさんに見つかって叱られるのは、僕。娘はしら〜ん顔です。

  うちなんて男だから、ウソはすぐバレる。「やってない」とシラを切ってるけどバレバレ。男の浮気は、すぐバレるようなもんです(笑)。

―― お2人が子供の頃、お父様はどのような存在でしたか?

礼二 僕らの父親は非常にクールで、物事を裏側から見るタイプでした。何かやりたいと言うと、「だから、何?」「それで?」と返されました。子供だったから、説得する言葉をもっていなかったんですよね。

  そうそう、くやしかった。でも、そんな父親の育て方のおかげで、僕らは芸人としてやってこれたんだと思う。目の前の物事に対して、表側だけでなく、その裏にある背景や成り立ち、理由を見るクセがついていたから。地に足のついた生き方ができた。

礼二 今でこそ、親父に感謝。だけど、やりたいことはホンマ、やらせてもらえなかったなあ。

  そのぶん、子供たちが自分でやりたいと言ったことは、全部、やらせてあげています。


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