SEXで大事なのは「触れあい」と「思いやり」
2024/06/01
いつまでもSEXしたいのが本音
「人間のセックスは、パートナーの心と体をまるごと受け入れ、精神的な結びつきを深める行為」と主婦会館クリニック・からだと心の診療所所長の堀口氏は言う。挿入・射精のない性的な関わりあいもSEXと考える。1994年、日本性科学学会でセックスレスを「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交、あるいはセクシャル・コンタクトが1ヶ月以上なく、その後も同じ状態が長期にわたることが予想される場合をいう」と定義した。
注目すべきは「セクシャル・コンタクト」。つまり挿入だけがSEXではないことを示唆し、抱きしめる、キスする、裸で一緒に寝る……などもすべて含まれるのだ。30代は、妊娠・出産後のセックスレスになる第1のターニングポイントとなるわけだが、より良い関係を早くから確実に築いていけば、第2のターニングポイント(女性の月経終了、男性の性的機能不全)も夫婦で乗りこえられるといわれている。セクシャリティ研究会による調査では、性交をしなくなる年齢の平均は男性が57歳で女性が52歳。更年期や勃起障害(ED)による原因以上に、長年の感情的なすれ違いと「男は勃たないとダメ」、「女は月経がなくなったら終わり」といった間違った思い込みがあるせいだとも断言できる。人は死ぬまで温もりを求める生き物。セックスレスを感じているなら、改めて2人のセックスライフについて話し合ってみてほしい。
堀口貞夫 先生
日本性科学会理事、主婦会館クリニック・からだと心の診療室所長。元愛育病院院長。妻の堀口雅子氏も。「性と健康を考える女性専門家の会」会長、女性成人病クリニック副院長として、多数の著書を執筆。共に性と向き合って50年の経歴を持つ。
Text » MIKAKO HIROSE
※FQ JAPAN VOL.12(2014年秋号)より転載