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育休取得より大事なこと

育休を取らなくてもできる強力サポート

2回目に男性が育休を取るべきタイミングは、妻が職場に復帰した直後の数週間だ。国が定める男性の育休制度もそれを見越して、「出産後最初の8週間以内に男性が育休を取ると、子供が1歳2ヶ月になるまでにもう一度男性が育休を取れる」仕組みになっている。しかしそれが意外と知られていない。

母親が職場に復帰した直後は、ただでさえ母親自身、久しぶりの仕事に戸惑うことも多いし、子供も保育園に不慣れだし、さまざまな病気をもらってきて、しょっちゅう熱を出し、お迎えに行かなければいけなくなることも頻繁に起こる。そこで、父親が、サポートできるか否かは、母親がスムーズに社会復帰できるかどうかに大きく影響する。せっかく社会復帰しても仕事と家庭の両立に限界を感じ、結局退職してしまう母親には、そういった事情もあるだろうと推測できる。

逆に言えば、そこでしっかり妻をサポートできるのなら、育休を取得する必要はない。保育園から子供が熱を出したと連絡があったら、久しぶりの仕事でテンパっている妻ではなく、父親が迎えに行ければいいのだ。それを見越して、妻が職場復帰する直後の数週間は業務量を減らすなどの策を予め講じておけばいいのだ。育休のようにゼロか百かにするのではなく、動きやすい体制を整えて待っておけばいいだけだ。それくらいの調整であれば、「できるビジネスマン」ならできるのではないだろうか。そのような呼びかけをするだけでも、母親が社会復帰しやすい世の中になっていくと思う。

「何が何でも育休」という思い込みを手放そう

つまり、育休という「形」にこだわるのではなく、「実」を取るということ。

そうしたら、企業文化もじわりじわりと変化を起こし、逆に、そこから男性の育休取得率が上がり始めるかもしれない。急がば回れというわけだ。

イクメンブームというのも一段落した感がある。そろそろ「何が何でも育休」という思い込みを、一度手放してみてもいいのではないだろうか。

<おおたとしまさ氏の記事>
ようやく、ベビーカーたたまず乗車OKに。公共交通機関でルール化(2014.4.7UP)
https://fqmagazine.jp/8371/babycar-2/
我が子の入学式に参加するために勤務先の学校の入学式を欠席した高校教諭の件の本質(2014.5.5UP)
https://fqmagazine.jp/10482/oota2/
「根拠のない自信」こそ、育てよう(2014.6.2UP)
https://fqmagazine.jp/11729/oota3/
0407_01育児・教育ジャーナリスト
おおたとしまさ(TOSHIMASA OTA)
株式会社リクルートを経て独立。男性の育児・教育、子育て夫婦のパートナーシップ、無駄に叱らないしつけ方、中学受験をいい経験にする方法などについて、執筆・講演を行う傍ら、新聞・雑誌へのコメント掲載、ラジオ出演も多数。
おおたとしまさの著書一覧

(2014.7.7up)

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