第5回 パパ本、いまが隆盛期!
2015/01/13
ファザーリング・ジャパンを始めた8年前、父親向けの育児本は、あまりありませんでした。しかし、2009年に「イクメン」という言葉が流行し、男性の育児が社会的にも定着し始める状況と並行して、父親向けに書かれた本が次第に数多く出版されるようになりました。パパ本はまさに今が隆盛期。さて、今年はどんなパパ向けの本が出るのでしょうか?
ファザーリング・ジャパンを始めた8年前、父親向けの育児本は、あまりありませんでした。僕が父親になるときに影響を受けた本で、『男だって子育て』(岩波新書)というものもありますが、この発行年は1990年。当時ではかなり先駆的な内容ではありましたが、これもそれほど売れていないだろうと思います。
そして18年の時を経て発売されたのが、2008年に僕が書いたパパ向けの本、『パパの極意~仕事も育児も楽しむ方法』(NHK生活人新書)。この本も、まあそれほど売れたわけではないです(泣)。しかし、2009年に「イクメン」という言葉が流行し、男性の育児が社会的にも定着し始める状況と並行して、父親向けに書かれた本が次第に数多く出版されるようになりました。
『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』(山田正人、文春文庫、2010年)
『イクメン!』(森脇 葵、講談社KC、2011年)
『パパのトリセツ』(おおたとしまさ/ディスカヴァー・トゥエンティワン、2012年)
『新しいパパの教科書』(ファザーリング・ジャパン、学研マーケティング、2013年)
『パパの働き方が社会を変える!』(吉田大樹、労働調査会、2014年)
『男が育休を取ってわかったこと』(池田大志、セブン&アイ出版、2014年)
インターネット書店で、「パパ」「父親」「イクメン」等の検索ワードを打ち込むと、このようにたくさんの「パパ本」が出てきます。かつて育児書は、「女性・母親向け」がほとんどだった時代を思えば、まさに隔世の感アリです。
そして、最近の話題書が『男の子の 本当に響く 叱り方ほめ方』(小崎恭弘、すばる舎、2014年)です。
パパ、ママのカテゴリーを超えて、たくさんの親に支持されているようで、ネット書店のランキングでも常に上位、重版も続いています。「男の子の育て方」がテーマの本はこれまでにもありました。しかし、子育て・育休取得経験があるパパが著者というのは新しく、それが現代の悩めるパパを惹きつけたのだと思います。
そう、パパ本はまさに今が隆盛期。
さて、今年はどんなパパ向けの本が出るのでしょうか? きっとその本を読めば、日本の父親の育児事情が透けて見えてくることでしょう。
<FJ代表・安藤哲也の男の育児“ファザーリング”最前線>
第1回 「パタニティー・ブルー」をどう乗り越えるか!?
第2回 新しい時代の、新しい父親像とは?
第3回 社会を変える父親を目指そう
第4回 発進! イクボス企業同盟
<イクボス集中講座>
第1回 イクボスって何?
第2回 イクボス実践パパの実例を紹介します!
第3回 管理職も多数参加! イクボスイベントを詳細レポート
第4回 イクボス事情、最新動向 そして「イクボスアワード2014」開催!
安藤 哲也(TETSUYA ANDO)
1962年生まれ。2男1女の父親。出版企業やIT系企業を経て、2006年、NPO法人ファザーリング・ジャパン(FJ)を立ち上げ、5年間代表を務める。一時期は副代表であったが、2014年に再度代表に就任。NPO法人タイガーマスク基金代表。「パパ’s絵本プロジェクト」メンバー、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進チーム顧問、内閣府・男女共同参画推進連携会議委員、子育て応援とうきょう会議実行委員、にっぽん子育て応援団団長、ラジオパーソナリティなどその活動は多岐に渡る。最新著書に『父親を嫌っていた僕が「笑顔のパパ」になれた理由』(廣済堂新書)がある。
(2015.01.13up)