【オトコの妊活塾】不妊の原因の50%は男性?!適切なトレーニング方法とは
2024/11/11
「妊活って男に関係あるの?」「2人目の子どもが欲しいけどなかなかうまくいかない」そんな悩みを抱える方も多いのではないだろうか。今回は、不妊の原因の一つである男性不妊について、その原因と対処法を解説する。
1. 「不妊の原因の半数は男性側の問題」
2. 「精子力は取り戻せる」
3. 「メンズルーペで精子をセルフチェック!」
4. 「膣内射精障害の原因は不適切なマスターベーション」
5. 「膣内射精障害を克服するトレーニング」
不妊の原因の半数は
男性側の問題
WHOの調査によって、不妊症のうち、男性のみに原因がある場合は24%、男女両方に原因がある場合は24%であることが分かっています。つまり、不妊症の原因の約半分は男性側にあるのです。
男性不妊の原因は大きく3つに分けられます。まずは精子を造り出す機能自体に問題があり、正しく精子が作れない「造精機能障害」。次に精子の通り道に問題があって精子が体外へと出られない「精路通過障害」。そして性行為自体を行えない「性機能障害」です。
このうち男性の不妊の原因の約8割を占めるのが造精機能障害。つまり、元気な精子をつくれないことが原因の場合です。するとなぜ造精機能障害が引き起こされるのかが気になるところですが、約半数は原因不明。わかっているもののなかで最も多いのは、精巣の周りにできた静脈瘤が精子の機能を低下させる「精索静脈瘤」という疾患で、これは手術によって症状を改善させることができます。
まだまだ謎の多い男性不妊ですが、精子の質をいかに向上させるかが不妊症克服の鍵を握っていることは間違いないようです。
精子力は取り戻せる
精子の質とは、精液の量、精子の濃度、精子の運動率などによって決まります。ただ実際には、これらの要素は関連しあっていることが多いとのこと。つまり、精液の量が少ない人は、精子の密度や運動率も低い傾向にあるそうです。
ではどうすれば精子の質を高められるのか。答えはシンプルで「健康的な生活を送ること」に尽きるそうです。バランスの取れた食事。十分な睡眠。適度な運動。ストレスの解消。これらはいずれも精子の質を高める効果が認められています。反対に不健康な生活が、精子の質を低下させることもわかっています。「精子だけ健康になることはできない」と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
サプリメントでは、コエンザイムQ10など、活性酸素を除去する抗酸化作用を持つものが、精子の質を維持するために有効だとされています。ただし、これも精子だけに作用しているというよりも、身体の「老化(酸化)」を押さえることで、結果的に精子も元気になっていると捉えるのが正しいようです。健康的で若々しい身体こそが、精子力の源なのです。
メンズルーペで
精子をセルフチェック!
自分の精子の質を確かめてみたい! そう思った方におすすめしたいのが、株式会社TENGAヘルスケアの提供するスマートフォン用精子観察キット『メンズルーペ』です。
簡易的なセルフチェックになるため、細かな診断まではできませんが、精液中の精子の数を一般的な基準と比較したり、運動率を確認するくらいであれば、十分な性能を備えています。病院で本格的な検査を受ける前のファーストステップにはこれ以上ないツールです。
使い方は、至って簡単。ルーペレンズ(小さな拡大レンズ)の付いた本体を、スマートフォンのカメラに取り付け、そこに精液を垂らし、動画を撮影するだけで、精子の様子が簡単に観察できます。
上手に撮影するための最大のポイントは光のセッティング。部屋の照明は消し、スポットライトを直接スマートフォンのカメラに向けるようにすると、きれいな観察動画が撮影できるそうです。
そのほか撮影の際の注意点や、精子の数え方、運動率の求め方などは、Dr.小堀の男の妊活ガイドにまとめられているので、ぜひそちらをチェックしてみてください。
メンズルーペの使い方
STEP1:精液の採取
採取計量カップと採取ピックを取り出し、カップの中に射精します。10 分ほど経って精液が液状化したら、採取ピックでしっかり撹拌した後、採取します。
STEP2:精液の計量
精液を採取計量カップの計量部に移します。精液量を確認する際は、カップを目線の高さで持ち、正面から目盛りを読み取りましょう。
※WHO の調査による射精量の基準値は1.5ml
STEP3:ルーペとプレートをセットする
スマートフォンのカメラ位置に、ルーペレンズの中心を合わせるようにセット。透明シールを貼ったプレートにピックで精液を塗布し、レンズの上に乗せます。
膣内射精障害の原因は
不適切なマスターベーション
性行為に困難が伴う性機能障害のうち、膣内でうまく射精することができない症状のことを「膣内射精障害」と呼びます。
膣内射精障害の原因の7割を占めると言われているのが、膣内環境とはかけ離れた刺激による、不適切なマスターベーションです。
例えば、ペニスを床などに擦りつける、いわゆる『床オナ』。体重がペニスにかかり、強い刺激が加わるため、これに慣れてしまうと膣内で射精することが難しくなってしまいます。足をピンと伸ばした状態で行うマスターベーションも、実は不適切。実際の性行為のなかで男性が足を伸ばす体位はあまりないため、いざ本番というときに射精できなくなってしまうのです。
ほかにもペニスを強く握り過ぎる、早く動かし過ぎる、水流をかける、振動を与えるといったマスターベーションも、膣内射精障害の原因となります。適度な強さと速さで手を上下にピストンしてペニスを刺激する、適切なマスターベーションを心がけましょう。
膣内射精障害を
克服するトレーニング
膣内射精障害かもしれない…。そんな方に朗報です。TENGAヘルスケアが開発した「メンズトレーニングカップ(MTC)フィニッシュトレーニング」は、射精のコントロールを実現する画期的なトレーニンググッズです。
メンズヘルスの専門医院である福元メンズヘルスクリニックでは、MTCを用いたリハビリによって、膣内射精障害の方12人中、11人が膣内での射精が可能に! その効果は折り紙つきです。
使い方はいたって簡単。MTCを使ってマスターベーションするだけです。刺激の強いMTCから慣らしていき、低刺激のMTCでも射精できるようになるまでトレーニングを繰り返していきます。
使用中は、もちろん『足ピン』はNG。ピストンは実際のセックスと同じ程度の速度を心がけましょう。オカズも刺激が強すぎないものを。膣内射精障害を矯正するのは決して簡単ではありません。だからこそ、なるべく早く射精トレーニングをはじめることが肝心です。
オナニーとコミュニケーション
自分のマスターベーションが不適切であることを自覚している人は、あまりいません。『床オナ』も『足ピン』も、それが「普通」だと思って続けているのです。それは7 割以上の男性が、マスターベーションについて相談できる相手がいないこととも関係していそうです。マスターベーションについて話し合ったことがないから、何が「普通」なのかわからない。性に関するコミュニケーション不足が膣内射精障害の一因となっているのかもしれません。
まとめ
★精子は身体の状態とリンクする。生活習慣を整えることから始めよう。
★膣内射精障害はなかなか治らない。早めの対策を心がける。
教えてくれた人
小堀善友先生
泌尿器科医師。別名「精子先生」。男の妊活を支える情報の発信を数多く行っている。
絵/KAORI ASAMIYA
文/ATSUSHI FUKUCHI Editorial
協力/TENGA Healthcare Inc
FQ JAPAN VOL.58(2021年春号)より転載