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インタビュー

呪われた現代の父親たち。 スーパーマンであれ!という重圧からの解放:小島慶子

「男らしさ」「女らしさ」の
根深い縛りから自由になるには
相手の美点を発見すること

編集部:最近のオーストラリア生活はいかがですか?

小島:心の底から “ありのままの夫”を受け入れるのに、実質3年ぐらいはかかりました。今オーストラリアの生活もようやく落ち着き、勉強の遅れもなく新しい生活を心から楽しんでいる子供たちの様子を見るに、これは「私が出稼ぎで日本にいる間、ずっと子供のそばでいてくれる夫のおかげだ」と、心底彼に感謝しています。仕事をしている時と何ら変わらぬ存在でそこにいてくれたことが、私の支えになりました。

編集部:著書の中で「しょぼくれて人が変わったようになった彼のことも受け入れるくらいの度量が欲しい」と語られていますが、十分にその度量があると感じます。最後に読者へメッセージをお願いします。

小島:私は夫がどういう人であるのかまだ半分かそれ以下しか理解していないと思うのですが、子育てを通じて彼という人が随分わかったように思います。彼にかかっている呪いも発見できたし。

編集部:旦那さんにかけられた呪い?

小島:それは多くの男性もかかっているであろう「男はスーパーマンであれ」という呪いです。だから息子たちには、自分の邪な気持ちを認め、弱音を吐かせ、苦しがってもいい、失敗したっていい、カッコ悪くたっていい、ただそれとちゃんと格闘して、辛い時は人に助けを求められる人になってほしいと伝えています。

それから、「男らしさ」「女らしさ」の根深い縛りから私たちが自由になるには、地道に日々の暮らしの中で、相手の美点を発見すること以外に近道はない気がしています。私は、ひとりで向き合うには厳しすぎるこの世界を、夫が傍にいることでましに見えるなら、一緒にいたいと思う。そもそも、それで夫と一緒にいることにしたんです。

編集部:そういう気持ちで結婚した相手に、肩書きは不要ですね。小島さん、ペアレンティングアワード2019 文化人部門受賞、本当におめでとうございました。連載では、ぜひ子育てや教育、新しい働き方、男性が自由になるための「気づき」など、どんどん刺激を与えてください。

DATA

小島慶子(こじま・けいこ)
エッセイスト、タレント。東京大学大学院情報学環境研究員。昭和女子大学現代ビジネス研究所特別研究員、NPO法人キッズドアアドバイザー。1972年オーストラリア生まれ。95年学習院大学卒業後、TBS入社。アナウンサーとしてテレビ、ラジオに出演。99年、第36回ギャラクシーDJパーソナリティ賞受賞。2010年に独立後は各メディア出演、講演、執筆など幅広く活動。14年、オーストラリア、パースに教育移住。自身は日本で働きながら、夫と息子たちが暮らすオーストラリアと往き来する生活。著書『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ! (日経DUALの本)』、他多数。
オフィシャルサイト
Twitter:@account_kkojima

※1どうやってその強い思い込みを外したのか? それを知りたい方は、『大黒柱マザー』『これからの家族の話をしよう』を読んでみてください。どちらの本も子育てのヒントがてんこ盛りで、自分らしい生き方・働き方を探している人にオススメです。(編集部)


Interview: Mikako Wakiya

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