夫婦の距離感 vol.01 “産後クライシス”
2014/04/09
産後において、夫婦の愛情が冷え切ってしまうことを、昨今「産後クライシス」と呼ぶようになった。単純化して言えばこうだ。幸せであるはずの妊娠・出産を経て、いよいよ子育てがはじまる。数時間おきの授乳、夜泣き、おむつ換え……。か弱い命を守るため、母親は奮闘する。しかしそのとき父親は、やっぱり蚊帳の外。
蚊帳の外にいる父親
気付いたときにはもう遅い!?
FQっぽく、欧米の話なんかを引き合いに出してみよう。
欧米では、まだ乳飲み子のうちから赤ちゃんはベビーベッドで寝かせ、夫婦は寝室をともにする。夫婦の愛が冷めてしまったら、それは即ち夫婦関係の解消を意味する。だからこそ、愛が冷めないように、お互いに努力する。
しかし日本では、子供ができると、母子密着が進む傾向が強い。子供は母親の傍らで寝る。文字通り父親は蚊帳の外となる。だましだまし夫婦生活を続けることが、もはや文化であるような感すらある。
産後において、夫婦の愛情が冷え切ってしまうことを、昨今「産後クライシス」と呼ぶようになった。単純化して言えばこうだ。幸せであるはずの妊娠・出産を経て、いよいよ子育てがはじまる。数時間おきの授乳、夜泣き、おむつ換え……。か弱い命を守るため、母親は奮闘する。しかしそのとき父親は、やっぱり蚊帳の外。
育児のしんどさを理解してもくれず、家事にも消極的。毎晩酔っ払って帰ってきては、靴下やYシャツを脱ぎっぱなしに散らかして、むしろ妻の仕事を増やす。これでは愛が冷めるのも無理はない。
しかし、気づいた時にはもう遅い。
思い出したように妻の腰に手を回しても払われる。ベッドに忍び込もうとしても「子供が起きたらどうするの!」と叱られる。欧米であればすでに離婚のレベルである。いや、昨今は日本の女性も自立しているので、離婚に踏み切るケースも増えている。
産後クライシス離婚である。
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