夫にイライラする……つい怒ってしまう理由と夫婦喧嘩の解決方法とは?
2018/11/07
家事や育児に関して、つい夫にダメ出ししてしまう……。イライラをぶつけてしまうのは、「自己受容」が不足しているサインかも!? 誰にでも起こりうる夫婦喧嘩やトラブルを解決するヒントをご紹介。
これ以上一緒に暮らすのは嫌
でもシングルマザーも不安……
【4人家族のママが抱える悩み】
中2と小3の子供、夫の4人家族です。夫と会話していると、すぐにケンカになってしまいます。やることがいちいち気に入らず、ついダメ出しをしてしまいます。夫は、結婚の時に2人で分担した家事をやらず、子育てで一番大変だった時も、もちろん何もしてくれませんでした。そのイライラをつい子供にぶつけてしまいます。それが自分の母親にそっくりで、ホント嫌になってしまいます。母親はよく父親を攻撃し、娘の私にもダメ出しばかりしてましたから。
これから先、夫が変わるとは思えません。これまでケンカと仲直りを繰り返してきましたが、ついにブチ切れてしまい、「もう、一緒に暮らすのは勘弁してほしい」と夫に伝えました。
あれからもう1年半。これ以上一緒に暮らす自信がないのですが、一人で子供を育てるのは不安です。どうしたらいいのかわかりません。
夫にダメ出しをする妻は
「自己受容」が足りていない?
『アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本』
著者・熊野先生の解答
この女性は、お母様からの影響がかなり大きいですね。躾が厳しいお母さんだったのでしょう。彼女がやることにダメ出しをしたり、否定ばかりしていたと考えられます。厳しすぎると子供は感情を抑圧していきます。でも、本当はすごく甘えたい。「お母さんは、私のことを本当に愛しているの? もっと愛してよ」という気持ちを抱えたまま、彼女は大人になってしまったのでしょう。
母親に否定されて育ったら、人は自己受容できません。「なぜ大好きなお母さんは、ありのままの私にOKしてくれないの?」と愛情に飢えてしまった。つまり、夫へのダメ出しは「私を愛して!」の裏返しです。
必要なのは「健全なあきらめ」と
夫からの「共感・受容」
自己受容するためには
「健全なあきらめ」が重要
夫が変わることが望ましいですが、「夫がやってくれないから私が全部やらないと。でも、無理!」と彼女が不健全な自己犠牲に陥ってしまうのも問題です。
大切なのは「健全なあきらめ」です。完璧な人間なんていません。50点の自分もそのまま受け入れること、それが自己受容です。今の目の前にある現実の、「変えられるもの」「変えられないもの」を見極め、変えられないものはスッパリあきらめる。これが「健全なあきらめ」です。
「君の気持ちはよくわかるよ」
夫の一言があれば変わる
ダンナさんのことがすごく好き、というのが伝わってきます。わかってほしい思いをアピールする方法が不器用で子供じみていて、ダメ出しは愛情の裏返しでしたね。
これまで彼女は不安や不満をずっと積み上げてきました。でも実はこれはただの妄想。なぜなら過去の記憶を作り上げているのは「今」だからです。もし、心から欲しいと思えるひと言をダンナさんからもらえたら、一瞬でその不安・不満は消えます。そのひと言が「君の気持ちはよくわかるよ」「そのままの君でOKだよ」なんですね。
人は、過去の経験をもとに
自ら運命を創造する力がある
人は、家庭や学校といった共同体の中で、自分のポジション(居場所)を確立するため、試行錯誤を繰り返しながら10歳くらいまでに自分の性格や思考の癖、行動パターンを形成していきます。それがその人の「人生の設計図」です。決めているのは他でもない、自分。アドラー心理学でいう「自己決定」です。
人間は、環境や過去の出来事の犠牲者ではなく、自ら運命を創造する力があります。だから、彼女が幸せになるには母親を許すこと。そうしたら彼女は変われますよ。
結論
●人は、環境や過去の出来事の犠牲者ではなく、自ら運命を創造する力がある。
●「変えられるもの」「変えられないもの」を見極め、健全にあきらめることも必要。
※熊野先生の書籍の一部をFQ編集部が再構成。
Text>>MIKAKO WAKIYA
FQ JAPAN VOL.48より転載