涙を見せない男たちが号泣するのは、”初めて我が子を腕に抱くとき”
2018/08/13
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2018/08/13
少なくとも出産準備講習に行ったり、出産育児書を読んでいれば、当然承知のこととは思うけど、分娩のときは必要なものを揃えて持っていかなければならない。僕と同じように、間違いなく君は、長い分娩とその後のことを考えてバッグ一杯にグッズを詰め込んで持って行くだろう。が、大抵は陣痛が始まると、持ってきた物のことなんかすっかり忘れてしまうのがオチさ。
僕もしかりで、妻のリサが新生児病棟へ移された後、「水が飲みたい」と言うまで、ずっしりと重い荷物のことなんて忘れていた。何リットルもの水と、サンドイッチ、スープ、果物、そしてなぜかGPSまで持っていたのに。たとえ分娩がどんなに長くなっても、そのとき誰も食べ物や何かを広げようなんて考えもしないだろうしね。だからきっと君は来たときとほぼ同じ重さのバッグを抱えて家に帰ることになるに違いない。せいぜい減ったとしても、ボルヴィック1本とチョコバー1個分くらいかな。
持っていくなとは言わないけれど、読んだり、人から聞いたりした「持ち物リスト」の中のものを実際に使うだろうか、と一度考えてみるのもいい。今でも僕は、11月だっていうのに、なんで短パンとかスリッパとかサンダルなんか持って行ったんだろうと思うよ。
その代わりに持っていけばよかったのは、娘のアリアが、まったく味気ない新生児ベッドで、少しでもハッピーな気持ちになれるように、脇で添い寝する小さな “ぬいぐるみ ”みたいなものかな。アリアは赤ちゃんだからもちろんわかりっこないだろうけど、今になって思えば、この世に誕生して最初のベッドに、名前の書いてあるリストバンドだけじゃなくて、何か自分だけの特別なものがあったらいいだろうなと思うんだ。
ジョン・スミス
世界的ベストセラーとなった「The Bloke’s Guide to Pregnancy~野郎のための妊娠ガイド~」の著者でもあり、英国版FQをはじめ多くの育児雑誌でコラム等を執筆する。
Translation >> MIDORI MIURA
FQ JAPAN VOL.9より転載
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