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インタビュー

江口洋介さん「子供の最高の遊び相手でありたい」

3・11を経験した今だから
この作品を世に送り出したい

原作者も含め、誰もが映画化は絶対に不可能だと感じていたスケールの大きな作品を、2015年の今だからこそ、世に送り出す意義がある。そんなふうにも感じているという。「原作が書かれた1995年からこの20年の間にエコという言葉が一般的になり、環境やエネルギー政策に関心を持つ人が増えていますよね。僕自身もまた、この20年の間に2児の父親となり、将来に残していくべき環境のことなども真剣に考えるようになりました。そういった社
会の変化というものも踏まえ、もし、1995年当時に映画化されていたらと考えると、伝えたいメッセージがどれほど届いたか疑問が残ります。それに、3・11を実際に体験したり数多くの報道を通じて知っている僕らは、映画の中で描かれている、原子力発電所に爆発物を積んだヘリが落下することの怖さを想像することができます。3・11を忘れない。そういう視点からも、今、この映画が世の中に出ていく意義は大きいのではないかと感じています」。巨大ヘリに原子力発電所。人間の生み出したテクノロジーは、使い方を誤れば武器にもなる。そんな現実の恐ろしさをこの映画は伝えてもいる。

「世の中を進化・発展させるために開発したものが、戦いに使われている現実が確かにあります。そこで僕が考えるのは、歴史的なことも含め〝やられてもやり返してはいけない〞ということ。それがいちばん勇気のいることだけど、負の連鎖を断ち切るには、絶対に貫くべきことでもある。僕はやり返せといって育てられ、ガキの頃はさんざんやり返してきたけど、それでよかったことなんてひとつもない。だから子供たちには、やり返さない勇気を持つことをしっかり伝えていきたいですね」。

楽しみながら鍛えることが
いちばんのリフレッシュ

映画『天空の蜂』にはアクションシーンが数多く登場するが、中でも圧巻なのは、上空数百メートル、静止したヘリコプターから湯原が身を乗り出すシーンだ。江口さんはこれを、スタントなしで演じている。

「今回は、撮影の初日に堤監督から直々に、このシーンはCGではなく実際にやってほしいとお願いされていましたし、必要であれば体を張るのも役者の仕事ですから、迷うことなく引き受けました。実際、撮影に臨んでみて、ヘリコプターのパイロットの腕も一流でしたし、ホバリング(空中でヘリが停止していること)の状態で機体も安定していましたから、恐怖心を覚えることなく演技に没頭できましたよ」。

走ったり、ぶら下がったり、ワイヤーで吊られたり。アクションシーンを難なくこなす体力は、趣味のサーフィンなどで培われたものだという。

「過去には、ウエイトを使ってガンガン鍛えたり、ジムで極限まで自分を追い込んだりもしたけど(笑)。あらゆることを試してみて、僕には、自分の体の重さだけでトレーニングするやり方が合っている、という結論に行き当たりました。普段から泳いだりもしますし、いろいろやった中で残った趣味が、釣りとサーフィン。あえて鍛えようというよりは、ある程度鍛えている状態のほうが頭が気持ちよくいられるっていうことが大きいかな。台本を読み込んで、役によっては専門用語と格闘して、長台詞を頭に入れてというのが日常だとすると、まったく違う状態にあえて自分を持って行って、体を動かすことがいちばんのリラクゼーションだったりもしますね」。

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