日本における育児休暇の現状とは?
2013/08/31
パパの育休が家族や職場に
もたらす効果
●育休の効果検証 プラス効果は「夫婦や家庭に」、マイナス効果は「職場や家計に」
〈育休パパの3割は「育休で夫婦の愛が深まった」と回答〉
育児休業を取得した方(306名)に対し、育児休業を取得したことによるプラスの効果を聞いたところ、「子どもと接する喜びを味わえた」が69.0%で最も高く、次いで、「育児に慣れた」(39.5%)、「夫婦で育児・家事・仕事の情報共有ができた」(25.2%)、「配偶者の子育ての負担を軽減できた」(24.5%)と続いた。子供や夫婦一緒に過ごす時間が増加したことによるメリットを享受している様子がうかがえる。
また、育児休業を取得した男性では、“育児を分担することで夫婦仲がうまくいった”と感じている方が多いようで、「配偶者の子育ての負担を軽減できた」(43.5%)や「夫婦で育児・家事・仕事の情報共有ができた」(37.1%)、「夫婦の愛が深まった」(29.0%)、「夫婦喧嘩が減った」(16.1%)などの項目が高くなった。
〈復職後、給与面や人事面で不利益な扱いを受けた人は11.4%〉
同様に、育児休業を取得したことによるマイナスの効果についても聞いたところ、「家計のやりくりが厳しくなった」が最も高く44.4%、次いで「子どもの世話で疲労感が増した」(31.0%)、「復職に対する不安感から精神的に追い詰められた」(15.7%)が続きました。主に、休業による収入の低下や復職に関する精神的な不安が上位項目に挙がり、この傾向は20代でより強くなった。
また、「復職後、人事面で不利益な扱いを受けた」(7.2%)や「復職後、給与面で不利益な扱いを受けた」(6.5%)といった回答も一部で見られ、復職後の給与面や人事面で『不利益な扱いを受けた(計)』と答えた人は、11.4%にも上った。
育児休業を理由とした不利益な取り扱いは育児・介護休業法違反とされていますので、少ない割合とはいえ見過ごせない状況と言える。
●女性の社会進出は経済成長のカギ そのためには男性の育休取得率向上が必須
〈「女性の社会進出は経済成長のカギ」と思う人は68.3% 女性の管理職比率が低いとの声も〉
女性の社会進出に関する意識を聞いたところ、《女性の社会進出は経済成長のカギを握る》で『あてはまる』が68.3%、《女性の社会進出は後退する傾向》では『あてはまる』が39.6%、『あてはまらない』が60.4%という結果に。女性の社会進出は経済成長のカギを握り、今後も後退する傾向にはないと捉えられているようだ。
一方で、《女性の管理職比率は低過ぎる》では『あてはまる』が78.8%と、管理職への登用などで、女性の社会進出がなかなか進まないことについての問題意識もうかがえる。
〈「女性の社会進出には男性の育休取得率向上が必要」 65.8%〉
それでは、女性の社会進出には何が必要だと考えられているのだろうか。《女性の社会進出には男性の育児休業取得率向上が必要》の項目では『あてはまる』が6割半(65.8%)となりました。男性が育児休業制度などを利用し、育児に参加することで、女性の社会進出にも繋がると考えられているようだ。そのほかの項目で『あてはまる』と同意した割合をみると、《女性の社会進出には企業の体質改善が必要》では『あてはまる』が85.4%、《女性の社会進出には男性の意識改革が必要》では84.6%となった。
男性の育児休暇は、まだまだ一般的とはいえないのが現実。職場の理解をいかに得るかが重要なのだ。
調査タイトル:育児休業に関する意識調査
調査対象:ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする
有職者(自営業・自由業・派遣社員・パート・アルバイトを除く)で既婚の方
(20代男女各166名、30代・40代男女各167名)
調査期間:2012年12月27日~2013年1月16日
調査方法:モバイルリサーチ
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル(有効回答から1,000サンプルを抽出)
実施機関:ネットエイジア株式会社
(2013.8.15up)