最近話題の「脳育眠」とは?
2015/03/03
おむつブランド「パンパース」が10年ぶりにリニューアルした新製品を発売する記念として行われたイベントに、FQ JAPAN編集部も参加、その様子をレポートする。
パンパースが「ママのための脳育眠セミナー」を開催
子供の寝顔はまるで天使のよう。しかし、なかなか寝付かなかったり夜中に頻繁に起きてしまったりと、眠りに関して頭を悩ませるパパママも多いのではないだろうか。
国際比較でも日本の赤ちゃんは夜更かし傾向といわれており、12万人に上るといわれる小中学生の不登校も睡眠障害がひとつの原因とされている。厚生労働省は昨年「健康づくりのための睡眠指針」を11年ぶりに改新したほどだ。
そんな中で先月行われたのが、「ママのための脳育眠セミナー」。おむつブランド「パンパース」が10年ぶりにリニューアルした新製品を発売する記念として行われたイベントに、FQ JAPAN編集部も参加、その様子をレポートする。
「脳育眠」とは、赤ちゃんの脳の成長を育むための質の高い眠りのこと。セミナーには約20組の赤ちゃんとママが招待され、講演のほかに質疑応答や新パンパースの実験なども行われた。
登壇した夜泣き専門保育士の清水悦子先生は「今日から実践できる、寝かしつけテクニック」と題して3つのポイントを挙げた。
参加者のママに「脳育眠」のポイントについて解説。
1つ目は、夜に自然と眠くなる生活リズムを身につけさせること。朝7時には起きる、日中の運動、夜は遅くとも9時には寝かせること。
寝かしつけで大事な時間帯は朝なのだという。これは体内時計が朝の光を浴びることによりリセットされ、その14~16時間後には眠くなるホルモンのメラトニンが分泌されるため、朝起きた時にすでに夜眠くなる時間帯が決まってくるということであった。
2つ目は、寝かしつけの習慣化で安心感を赤ちゃんに与えること。夜間に泣いた時、色々な方法を試しがちだが、対応は常に同じ方法がいいという。
3つ目は、夜間に寝ている赤ちゃんの邪魔をしないこと。赤ちゃんは大人より睡眠サイクルが短く、「生理的夜間覚醒」と呼ばれる起きる仕組みをもっている。
この仕組みとは夢を見る睡眠(レム睡眠)のときに身体がよく動いたり、泣いたりすることである。大人から見ると起きたように感じるが、実は完全に覚醒しているわけではない。
赤ちゃんにとってレム睡眠は身体を動かしながら成長を確認しているともいわれ、慌てず2、3分様子を見ていると、また次の睡眠サイクルにふっと入るときも。無用な授乳やオムツ換えは赤ちゃんの眠りを妨げることもあるのだ。
睡眠学会認定医師の遠藤拓郎先生も、眠りは単なる休息ではないとし、寝てから3時間の間に出る成長ホルモンが身体を大きくさせると説明。成長ホルモンは深い睡眠のときに多く出るため、良い睡眠環境を整えることが大事だという。大人も子供も一度体温が上がってからぐっと下がった時に眠くなる。
いったん体温を上げるのは食事、入浴、体操のいずれかであるが、遠藤先生のスリープクリニックでは赤ちゃんのための独自の体操を考案している。パンパースの公式サイトで見ることができるので一度チェックしておきたい。
さらに、夜9時くらいから分泌され、11時くらいに高い濃度になるという眠りを誘うホルモン「メラトニン」は夜の光に弱く、赤ちゃんを明るいところに上向きに寝かせると、メラトニンは出なくなり寝つきの悪い子供になるというので注意が必要だ。