「仕事にも役立つから育児を」という「悪魔の誘惑」
2014/10/07
仕事の成果より、「ありがとう」
ただし、「ほめる」といっても、そんなに大袈裟なものをイメージしているわけではない。「ありがとう」と感謝の気持ちを伝える程度でいいと思う。日常のことだから。
私は依然、夫が家事をしてくれたときに「ありがとう」をいうことにものすごく抵抗があるというワーキングマザーと話したことがある。「家事を分担するのは当たり前のことで、当たり前のことに『ありがとう』というのはおかしいという理屈だった。根底に不公平感があるのだろう。しかしそこにこだわっていたら、結局は自分の首を絞めることになるのではないかと思って私は聞いていた。
「ありがとう」という言葉は相手の行為の意味を認め、価値を付加する言葉。どんどん言えば、それだけで世の中の価値は上がっていく。牧歌的だといわれるかもしれないが、みんなが「ありがとう」を言い合えばそれだけで、みんなが幸せな世の中になるはずと私は本気で信じている。それが実現できれば、躍起になって見せかけの経済成長を追い求める必要もなくなる。長時間労働も意味をなくす。それなのに、「ありがとう」の出し惜しみをするなんてもったいない。
前述の女性から男性に対する恨み辛みというのは、「自分は感謝なんてされてもいないのに、男だけ、ズ・ル・イ」ということ。それはごもっとも。であれば、男性も女性にもちゃんと感謝の気持ちを伝えよう。
これを読んでいるのが男性であれば、妻に「ありがとう」を伝えよう。これを読んでいるのが女性であれば、夫に「ありがとう」を伝えてみよう。それだけできっとみんなが笑顔になれるから。いろんなことがいい方向に回り始めるから。そうすれば、仕事に帰結するような功利的動機付けで男性を育児や家事に誘い出すなんて回りくどいことをしなくても、少しずつ世の中は変わっていくはずだから。
<おおたとしまさ氏の記事>
ようやく、ベビーカーたたまず乗車OKに。公共交通機関でルール化(2014.4.7UP)
https://fqmagazine.jp/8371/babycar-2/
我が子の入学式に参加するために勤務先の学校の入学式を欠席した高校教諭の件の本質(2014.5.5UP)
https://fqmagazine.jp/10482/oota2/
「根拠のない自信」こそ、育てよう(2014.6.2UP)
https://fqmagazine.jp/11729/oota3/
育休取得より大事なこと(2014.7.7UP)
https://fqmagazine.jp/13514/oota4/
「対等」よりも「主従」で子育て夫婦円満(2014.8.5UP)
https://fqmagazine.jp/14527/oota5/
なぜ、男の思考はいくつになっても“小4”なのか(2014.9.2UP)
https://fqmagazine.jp/16599/oota6/

おおたとしまさ(TOSHIMASA OTA)
株式会社リクルートを経て独立。男性の育児・教育、子育て夫婦のパートナーシップ、無駄に叱らないしつけ方、中学受験をいい経験にする方法などについて、執筆・講演を行う傍ら、新聞・雑誌へのコメント掲載、ラジオ出演も多数。
おおたとしまさの著書一覧
(2014.10.7up)
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