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インタビュー

「赤ちゃんと家族を笑顔にしたい」アカチャンホンポとサラヤが語る”ウィズコロナの子育て”

どんな時代でも子供は生まれ、命はつながっていく。コロナや災害など多くの人が不安やストレスを抱える今、赤ちゃんと家族を笑顔にしたいと奮闘する企業がある。日本を代表する子育て支援企業のトップ対談をお届けする。

株式会社 赤ちゃん本舗代表取締役社長
佐藤好潔さん(以下、佐藤)

サラヤ株式会社 代表取締役社長
更家悠介さん(以下、更家)

買い物のしやすさも
健康もスマイルにつながる

――コーポレートメッセージの「スマイルな育児を」と「いのちをつなぐ」について教えて下さい。

佐藤: 当社は今年、創業88年を迎えました。我々が出産・子育てに対し、どんなサポートをすべきかを定義する中で、お客様の気持ちに寄り添い「スマイルな育児を」応援することを目指しました。商品を安全・安心・簡単・便利にすることはいくらでもできますが、「スマイル」という情緒的価値は、お客様おひとりおひとりで違います。そこで、より多くの方の気持ちに寄り添えるようモノ作りや店舗の内装、オペレーションなどを常に改善しています。

更家: 2012年から「いのちをつなぐ」を掲げていますが、以前は「Stay Healthy & smile」でした。健康で笑顔でいましょう! という意図ですが、似ていますね。健康はスマイルにつながる。理念は共通していると思います。

当社は手洗いからスタートした企業。1952年の創業当時は、日本で赤痢が流行っていて、日本初となる薬用せっけん液の開発と共に手洗い習慣の啓発活動を続けてきました。「健康のためには手を洗ってね。赤ちゃんのお世話の前後には手を洗おうね。」それがスマイルにつながると信じて、企業ミッションとしてきました。

「いのちをつなぐ」は子供が立派に育ち、次の世代につないでいくこと。そして、子供が暮らす未来に、豊かな環境を持続可能な状態で渡すことを目指しています。

新米パパママの不安を解消する
サービスと情報を提供

――具体的にはどのような活動があるのでしょうか?

佐藤: 我々は小売業なので商品をいかにお客様に提供、ご購入いただくかを考えています。例えば、売り場をわかりやすく生活シーン別かつ月齢別に配置しています。おでかけ、おうちなどの生活シーンで売り場を分けて、離乳食や知育玩具のメーカー別レイアウトをやめ、月齢別にすることで、ショートタイムショッピングを可能にしました。

更家: 売り場を拝見しましたが、とてもわかりやすい。月齢別は便利ですね。お店にいらした方たちがスマイルで買い物できます。

佐藤: 各店にいる「マタニティアドバイザー」は、主に出産・子育てを経験した先輩ママたちで、お客様の困りごとや、わからないことをお伺いして、気持ちに寄り添ったアドバイスをしています。

更家: 核家族化が進み、周囲に相談できないパパママは困っていますね。ネットは便利だけど、情報が多すぎて何をどうしたらいいか迷う方が多いようです。私たちは確かな情報源を持つ専門家やメディアと連携して、ミッションを達成するための正しい情報を伝えていきたいと考えています。

――他社にない、オリジナルな施策や強みはどんなところですか?

佐藤: 今はすべての小売業が競争相手。例えばアパレル企業でもベビーからラインナップがあり、ドラッグストアやホームセンターでもベビー雑貨を取り扱っています。それらを細かくみて方向性を考え、商品の幅を広げながら、他社との区別化を図る方針です。 

現在はオリジナル商品が50%近くあります。PB(プライベートブランド)を持ちながら、それにMD(マーチャンダイジング)をミックスして、今のお客様のニーズに合うセレクトショップを作っていきたいと思っています。

更家: 当社は医薬品メーカーとして、医療衛生から食品衛生、公衆衛生事業も展開しています。プロギアはエビデンスがないと選んでもらえないので、科学的根拠に基づいたモノ作りをしています。また、メーカーとして、プロ向けと一般家庭向け両方を扱っているのも稀少だと思います。もう1つは天然素材。「アラウ.ベビー」はもちろん、創業以来70年近く、体にやさしい天然素材にこだわり、ナチュラルプロダクトの企業として、グローバルに支持されています。

佐藤: ベビー&マタニティ業界は、だいたい2年でお客様が入れ替わるので、常に新規を獲得しなければいけません。さらに、時代は激しく変化しています。今回のコロナでも巣篭もりなど生活様式が劇的に変わりました。そんな時代の中で生き残っていくために、何ができるかを常に模索しています。

赤ちゃんとファミリーを
応援し続けるために

――両社の根底には「赤ちゃんにやさしい」ことがあると感じます。その点についてこだわりは?

佐藤: 私たちは商品を販売するだけでなく、様々なサービスや情報を提供し、みなさまの出産・育児を応援する「子育て総合支援企業」を目指しています。そこで、会員向けの情報発信や育児セミナーなども実施してきました。

なかなか外出ができない現在は、対面での育児セミナーは中止し、オンラインセミナーの動画を配信しています。店舗では「スマホdeサポート」を実施。Zoomを使い、スマホで個別に接客するという「非接触のサポート」にも取り組んでいます。

赤ちゃん本舗のコロナ禍での取り組み

家に居ながら店舗へお買い物に出かけたような相談ができるサービスを実施。周囲に相談ができず不安を抱えるパパママを応援している。


Zoomアプリで店とつながり、商品に詳しいスタッフからの説明が聞けて、相談もできる。店頭取り置きも可能。


両親学級中止が続く中、赤ちゃんのお世話術を動画配信。沐浴、授乳・調乳、おむつ替え、お着替えの予習ができる。


更家: 当社は、モノ作りはもちろんですが、「セーブ・ザ・チルドレン」や「ユニセフ」を通じて世界の子供たちの衛生環境の向上につながる活動を続けています。例えば以前のウガンダは水が汚くて産褥熱で亡くなるお母さんや、下痢で衰弱する赤ちゃんがたくさんいましたが、活動をはじめて10年経ち、衛生状態は改善され多くの命が救われています。当社の衛生商品の売り上げの一部はユニセフへ、アラウ.ベビーの売り上げの一部はセーブ・ザ・チルドレンへ寄付をしています。当社製品を購入いただいた方たちと一緒に、世界の子供たちの命を救っています。

サラヤのコロナ禍での取り組み

日本国内だけに留まらず、世界の感染予防にも貢献しているサラヤ。エッセンシャルワーカーの感染を防ぐための衛生資材をずっと供給し続けている。


医療機関やスーパー、コンビニなどのインフラ崩壊を防ぐため、サラヤは現場向けの消毒剤をフル生産で届けた。


2010年よりウガンダで衛生啓発を実施。消毒剤の生産工場を作っていたおかげでウガンダの感染予防に貢献した。

佐藤: 日本の少子化は止められないでしょうから、事業としてはマイナスとなる可能性が高く、新たな一手を考えています。うちはマタニティ&ベビーの専門店と言われますが、最近では将来の妊娠に備えて、体質改善に役立つアイテムの販売や情報発信も始めています。プレコンセプションケアは少子化対策としても注目されていますが、いい商品を提供することで、将来的にも我々のファンになっていただけることを願っています。

更家: それは大切なことですね。当社は低糖質食品やカフェインレス飲料など、健康に留意した食品の開発・販売もしていて、自然派甘味料の「ラカントS」は、糖質コントロールが必要な妊娠糖尿病の方たちにもご愛用いただいています。将来パパママになる若い方や妊活中の方たちの健康作りにもお役に立てると思います。

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