育休期間を人生のチャンスに! 自分らしい働き方や生き方を見直そう
2020/04/14
育休の取得は「キャリアの中断」と捉えられがちだが、実はそうではない。育児を通して、自らの働き方や生き方を見つめ直す期間でもあるのだ。今回は、育休取得をしたママへのアンケート結果から、育休のもう1つの意義を考えてみよう。
育休をチャンスに変えるママたち
育休は単に、子供の養育をするためだけに必要な時間として国や社会から与えられるものなのだろうか。
親になるということは人生における最大のイベントの一つだ。当然パパママの価値観の変容も起こり得るだろうし、人生を考え直す機会にもなるはずだ。
育休コミュニティMIRAIS(ミライズ)は、産育休中、および産育休から復職後5年以内のママと育休中の妻を持つパパに、育休の実態と、育休後の働き方に関するアンケート調査を行った。
調査からは、育休中になんらかの目標を持つことの重要性が浮かび上がってくる。
「育休中の経験がより自分らしい生き方、働き方につながったか」を尋ねると、目標があった群となかった群とでは明らかな差があった。
目標があった群ではなかった群に比べて倍のママたちが、「かなりそう思う」と回答したのだ。
回答者からはこんな声が寄せられている。
■育児を通しての出逢いや発見が、自分の糧になり、多面的に世の中を見られるようになるチャンスだと思う(30代女性・復職済)
■育休は子供を育てると同時に自分を育てる期間になり、客観的に自分を見つめ直す貴重な時間となるから目標を持って過ごすことは大きいと感じる(30代女性・産育休中)
またパパたちには、パートナーの育休についてのイメージを、育休前と子供の誕生後に質問している。するとイメージに変化があることが見て取れた。
育休前は「育児に集中する期間」や「ゆっくり出産後の身体を休める期間」というイメージが強かった。
一方で、誕生後はそうしたイメージは弱まり、「働き方やキャリアを見つめ直し考える期間」や「普段できない体験、挑戦ができる期間」、「自己成長のための投資期間」、「自分に合った働き方を考える期間」などのイメージが強まっていたのだ。
育休に入ったパートナーが、子育てに追われながらも自身の将来について考える姿を見て、パパの育休イメージも変わっていったのだろう。
未来の育休取得者へのメッセージも寄せられているので、見てみよう。
■育休前後で世界が全く変わってしまうけど、育休をどう過ごすかによってその世界の捉え方が変わると思います(20代女性・産育休中)
■育児中、差し出される手は全て掴みましょう。育休は休みじゃないけど、人生の中で自分を見つめ直せるいい期間でもあります(40代女性・産育休中)
■キャリアの空白と思わず、人生の棚卸し期間と思って、育休が取れることをワクワク楽しみにしてもらえたらと思います!(30代女性・産育休中)
ママたちは育休期間を、自分を見つめ直しこれからどう生きるかを考える機会として、力強く受け止めているのだ。
もちろん、ママが新しい目標を思い描くには、心の余裕がなければならないだろう。そのために欠かせないのが、パパの支えだ。ママ1人に任せるのではなく、夫婦で家事・育児をして、負担を分担することが大事だ。
子供の誕生を機に、子育てをサポートしてくれる人や悩みを共有するママ友とのつながりも生まれるだろう。その関係性が豊かになることによって、おのずと育休中の目標に意識を向けられたり、育休後の人生に展望を見出したりできる。
最近では、男性の育休取得も増えてきている。育休期間を、家族や夫婦にとって有意義な時間にしよう。
DATA
Text:平井達也