3児のママ社長が語る、夫婦に必要な5つの「バランス」
2018/05/21
キャスターボード「リップスティックDLX」というヒット玩具をご存知だろうか? ボードの上で体をひねりながら前進する玩具で、 遊びながらバランス感覚が鍛えられる。その玩具を扱うのが2018年、30周年を迎えたラングスジャパンだ。お話を伺うと、あらゆる面においてバランス感覚を磨く大切さが見えてきた。(前編)
バランス①
ビジネスは、地面を思い切り蹴って勢いよくボードに乗るようなもの
年長さんと小1、小3の3人のママだった当時34歳の小林美紀社長が、家族以外の人もハッピーにする意義ある仕事がしたいと始めたのがラングスジャパンだ。ビジネス経験は一切ない。「夫は医師として”治す”仕事をしていたので、私は病気にならない”身体作り”の手助けを何かしたくて」。
そんなある日、ブーメランと出会う。「これだ!」と確信した小林社長は、オーストラリアのラングス本社へすぐ連絡。思い切りの良さと大胆さは、キャスターボードそのもの。後ろ足で地面を蹴り、勢いをつけないとボードには乗り込めない。
「息子も医学部へ進み、娘は去年立ち上げた代官山のトレーニングジムで健康な”身体の維持”を社会に提供しています。治す・作る・維持の3軸で、家族みんなで人々の健康に貢献するのがずっと願いでした」。
バランス②
世の中に貢献したいという思いは夫婦の共通の意識
前述した通り、ラングスジャパンの歴史はブーメランに始まる。
「それまでのブーメランといえば、投げてもあさっての方向に飛んだきり戻ってこないものばかり。私が出会ったブーメランは、思い切り投げた途端、風を切って大空を旋回し私の手元に戻ってきました。きっと流体力学やジャイロの法則など様々な自然の摂理が働いているのでしょう。夫婦ともに、すっかり魅了されてしまいました。この感動をたくさんの人と共有したい、というのがラングスジャパンの始まりです」。
どの商品もすべてこの感動に始まり、ヒットはあくまでも結果論。商品選びは、感動できるか、世の中の人が本当に求めているものかどうかに尽きるという。結果的に社会貢献するアイテムだけがラインナップされていった。
そして、ブーメランのヒットを陰で支えていたのは医師である夫だ。
「1998年、オーストラリアで開催された第1回ブーメラン世界大会の日本代表として夫が出場してくれたんです、病院に辞表まで出して」。その後2年間、医師の仕事は土日に集中し、子育てに専念して妻をバックアップした。以降、ラングスジャパンのカタログには、”世界大会使用ブーメラン”と書き加えられ、しかも世界大会使用という栄光を背負ったブーメラン輸入は、スポーツにカテゴライズされ無税となった。
(つづく)
~後編公開をお待ち下さい~
Photo >> NATSUKI MATSUO(NAOTO OHKAWA PHOTOGRAPHY.inc)
Text >> MIKAKO WAKIYA
FQ JAPAN VOL.46より転載