若い親はなぜ子供に「読み聞かせ」をしないのか?
2017/12/20
近年の研究によると、意義リルでは子供に読み聞かせをする若い親は今やどんどん減ってきているという。新しい世代の親たちは、子供にとって大切なことが何かを忘れてしまったのだろうか? 子供の発育に重要な、親と子供のコミュニケーション。パパ・ママはどのように子供と会話するのが一番なのか?
「親」ならではの特権である読み聞かせ。
若い親はなぜ子供に読み聞かせをしないのか?
「読み聞かせ」という子供との関わり方は今やもう古いのだろうか? 外ではスマートフォンやタブレット、家ではパソコンという風に液晶ディスプレイに向かい、バーチャルワールドと交信する時間は技術の進歩と比例してどんどん増えてきているといえる。
ひょっとしたら、これは情報化社会の副産物なのかもしれない。何せ、必要な物はすぐ手に入るのが当たり前の現代だ。その結果、自分自身の読書時間はもちろんのこと、自分の子にも本を読み聞かす時間がなくなってきてしまっている。想像力を働かせ、頭の中で物語を展開していく時代は終わったのだろうか?
近年の研究によると、子供に読み聞かせをする若い親は今やどんどん減ってきているという。読書の楽しさを伝える団体、「Booktrust」が行ったアンケートが発表した結果は実に残念なものとなった。16-24歳の親の中で、読み聞かせをしている時が1日の中で1番好きだと答えたのは、たったの28%だったのだ。ちなみに55歳以上の親ではその割合は42%にのぼったのに対し、読み聞かせが好きだと答えた若年層はわずか19%にとどまった。新しい世代の親たちは、子供にとって大切なことが何かを忘れてしまったのだろうか?
『The Telegraph』のハリー・デ・クウェテビレ氏はこの意見に同意している。彼はある記事の中で、子供に読み聞かせをしない父親のことを「大ばか者」と痛烈に批判した。寝る前の読み聞かせは至福の時であり、子供だけでなく親にも良い影響をもたらすというのだ。家事でバタバタしたり、1日のほとんどを職場で過ごしていたりする親にとって、寝る前の読み聞かせは子供との大切なコミュニケーションの場となる。彼はこの濃密な時間を「父と子の間の強い絆が生まれる瞬間であり、学びと信頼の結びつきが構築される時間」と定義している。もちろんこれは父親だけでなく、母親にも同じことが言えるだろう。
「Booktrust」によると、読み聞かせで育った幼稚園児の就学時はそうでない子と比べ、12ヶ月も進んだ状態でスタートを切っているという。科学的な根拠もさることながら、読み聞かせがもつメリットは実は数えきれないほどあるのだ。
例えば読み手との関係構築や子供の学習能力の向上、基本的な会話力・コミュニケーション力のアップ、早期の言語取得も促す。集中力は高まるし新しい体験への興味も湧く、そしてしつけへの影響などなど、あげればキリがない。なぜ新しい世代の親たちは、こんなにも子供の成長に不可欠ともいえる読み聞かせを行っていないのだろうか。
様々な理由が考えられるが、親自身が本を読まず、また読み聞かせをされずに育ったという説がまず考えられる。しかし、本を読まない親から本を読まない子へと「負の連鎖」は続いていくのだろうか? おそらく違うだろう。どちらかというと危惧すべきは、前述したようにテクノロジーの進化なのではないか。『Forbes』誌のジョーダン・シャピエロ氏はこの現象を「新と旧の間の終わらない戦い」と表現する。現代社会においては、「読む」こと自体は日常的に行われているが(Facebook、Twitter、またはメールのやりとりなど含む)、彼曰くその内容に関しては決していいものとは言えないというのだ。しかし本自体を読む人も減ってきており、そういった技術の進歩は関係ないという見方もある。
※2015年1月15日に公開した記事のリメイクです。
TEXT: Sam Skelding
TRANSLATOR: Ellie Yamashita
2014.6.16UP(FQ UK)
2015.1.29UP(FQ JAPAN)
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