男心くすぐる水族館〜貪欲な知識欲が“オタク親父”を生む【パパのための水族館講座】
2013/08/01

子供ならば誰もが大好きな水族館。でもさ、ホントはパパだってテンション上がっちゃう……。そんな水族館の楽しみ方を伝授! 日本の水族館数の数は?世界中にある約500の水族館数の実に2割ほどにあたるってホント!? こんな小さな島国で、なぜこのように水族館が発展したのか……?
探求(オタク)心あふれる
日本人が生んだ世界一
子供ならば誰もが大好きな水族館。でもさ、ホントはパパだってテンション上がっちゃいますよね。楽施設でもあり教育施設でもある日本の水族館は、子連れおでかけの定番コース。だけど、あなた次第で水族館はいくらでも生まれ変わります。
「アクアリスト」という言葉をみなさんはご存知だろうか。これは、水族館のような大型施設から小規模の個人施設に至るまで、水生生物に強い関心があり、自分でも観賞魚(特に熱帯魚)や水草を飼育・栽培する人のことだ。つまり、“趣味が水槽でお魚を飼う愛好家”を指すのだが、その度合いはまちまちである。簡単に飼えるグッピーを眺めているだけで満足な人もいれば、水槽内の生態系が自然な状態になるように、水の品質管理から栄養素の流入・流出まで管理する本格派もいる。いわゆる“探求者”だ。
日本は自他共に認めるオタク大国である。日本人の勤勉さからくる熱狂的な探究心は、この「水の世界」でもいかんなく発揮されていて、日本を世界で1位、2位を争う水族館大国に成長させた。しかし、意外にも日本の水族館レベルの水準の高さは、そこまで私たち日本人に知られていないのが現状である。
日本には、さまざまな世界一の称号を持つ水族館が多数存在するが、水準の高さを示す象徴的な水族館として有名なのが、「沖縄美ら海水族館」だろう。この水族館には2つの世界的な名物を有する。今もなお長期飼育記録世界一を更新中のジンベイザメとオニイトマキエイのマンタ、世界2位の、水量なんと7500トンという大型水槽「黒潮の海」だ(現在の1位はドバイ水族館)。この2つを見るだけでも沖縄に行く理由になる。
マニアック路線でいくと、「山形県鶴岡市立加茂水族館」の、クラゲの展示。その数は35種類で、世界一として認定されているという。それから見逃してはならないのが2008年に大洗水族館にやってきた、世界最大のウバザメの剥製。全長8.6メートル、体重4.6トンという巨体だ。
繁殖・飼育に関してトップレベル
日本は世界でも水族館の数が多く、1人当たりではトップクラス。こんな小さな島国で、なぜこのように水族館が発展したのか。その秘密は実は「繁殖・飼育」にある。例を挙げればキリがないが、先にも触れた「沖縄美ら海水族館」のマンタは2007年に初めて繁殖・出産に成功し、ほとんど知られていない生態の解明の一歩を踏み出した。
「名古屋港水族館」では、オキアミ2世の繁殖に世界初成功。身近な生き物としては、「アクアマリン福島」では、世界で初めて成功したというサンマの繁殖。日本の水族館のチャレンジ精神には、世界も一目置かざるを得ないことだろう。
貪欲な知識欲が“オタク親父”を生む
人が知らないことを知りたいといいう、一途なまでの探究心こそ “オタク心”の核をなすものだ。現代の世界において“フロンティア”というものはほとんど存在しなくなってしまったが、まだまだ未解明なものだらけな“生態”においては、開拓するべきことがらが多く残されている。オタク男子ならぬ、“オタク親父”たちは、いかんなく貪欲な探求(オタク)心を燃やし続けてほしい。
DATA
沖縄美ら海水族館