【ランパード】チェルシーFCの大黒柱を徹底取材
2013/08/29
強豪チェルシーFCの大黒柱ランパード。彼の父もまた昔、一流のプロサッカー選手であった。父子で歩んだ軌跡を、FQが総力を挙げて徹底取材。
活躍の影にある
憧れの“父親”の存在
そう感慨深く語るのは、イングランド・プレミアリーグの強豪チェルシーに所属し、イングランド代表で攻守の鍵を握るフランク・ランパードだ。2005年には、サッカーライター協会がイングランド国内でプレーする選手を対象としたFWA年間最優秀選手賞を受賞し、その名を世界に知らしめた。そうした華々しい功績の裏には彼の父フランク・ランパード・シニア(以下、シニア)の存在があるという。
「僕は幼い頃からずっと、父に憧れてプロのサッカー選手になりたいと夢見てたんだ。父は、そんな僕をいつも手助けてくれた。父とは今でもよくサッカーの話をするよ。だって、父は僕にとって一番大切なファンであると同時に、信頼を寄せるサッカー評論家でもあるんだからね。父は試合が終わると僕に電話してきて、『もっと積極的に、シュートを打て!』とか僕のプレーに対しての評価を話してくるんだ」。
ランパードが父に信頼を寄せるのには訳がある。実は父シニア自身が、元イングランド代表のサイドバックを務め、なおかつ、プレミアリーグの古豪ウェストハムの人気選手としての18年間にわたる輝かしいキャリアの持ち主であるからだ。
「うちの家庭には常にサッカーが存在してたんだ。息子の伯父には、現在トットナムの監督のハリー・レドナップがいたし、従兄弟には、元イングランド代表のジェイミー・レドナップがいたからな。このような環境では、息子がサッカー以外の道を選ぶのは、難しかっただろうな」。そう語るのは、今年で61歳を迎えるシニア。
「息子が10代の頃は相当大変だったはずさ。サッカーで成功しようと思ったら、14歳や15歳で犠牲を払わなきゃいけなくなる。友人と遊びに出かけることもできないし、他の子がやっているゲームをする暇もない。正直言って、私は厳しい親だった。学業も疎かにはさせたくなかった。だから実際うちではすごい親子喧嘩が何度もあったよ。息子に厳しくああしろ、こうしろと言わなきゃならなかったからな。サッカー選手になりたければ犠牲を払わなきゃならない。私自身もそうだったようにね」
境遇が彼の精神力を強くし、周りを黙らせようと、らせようと、さらにいいプレーを導いた.