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【レビュー】人生が変わる?レンジローバーの高級SUV『VELAR』に乗って分かったこと

家族のお出かけにはクルマが欠かせない。家族構成によっても子供の成長によっても、必要なスペックが変わってくる。今回は、ここでは、FQUKの編集者 ティム・バーンズ・クレイが注目の「レンジローバー・ヴェラール」のテスト走行を行い、その魅力をレビューする。

リーズナブルなプレミアムSUV

Range Rover Velarは、Evoque とRange Rover Sportの中間に位置するモデルだ。今につながる最新のレンジローバー・デザインを採用し、デビュー時には注目を集めた。躍動感あふれる美しいルックスと非常にスタイリッシュなインテリアを備えた、レンジローバーとしてはリーズナブルなプレミアムSUVなのである。

テストモデルにはR-DynamicSEトリムが提供され、20インチアルミホイール、ドライバー用の14ウェイ調整可能なヒーター付きメモリーシート、穴あきレザーシートフェーシング、MERIDIAN™️サウンドシステム、R-Dynamic Exterior Packが装備されている。

パワープラントは、時代の要請からダウンサイジングされ、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンともにターボで武装した2・0lの直列4気筒DOHCを搭載している。モーターを加えた48Vマイルドハイブリッド方式を採用し、試乗車の「D200」とは、200ps以上を発生するディーゼルエンジンを搭載していることを意味している。駆動方式は伝統の4輪駆動である。

ロングドライブも余裕

気になるパワースペックは、最高出力が204ps(150kW)/3750〜4000rpm、最大トルクは430N・m(43.9kg/m)/1750〜2500rpmと発表されている。トランスミッションは8速ATだ。モーターアシストを加えたディーゼルターボは静かで洗練されており、シフトアップしたときのトルクの落ち込みもモーターが上手にカバーしている。0-100km/h加速が8.2秒というタイムは、2020kgの重いSUVとしてはかなり良いものだ。ほとんどの速度域で十分以上の加速を見せ、パワーとトルクも低回転から湧き出してくる。ヴェラールは優れたハイウエイクルーザーで、ロングドライブを余裕でこなす。 ただし、さらに鋭い加速が必要な場合は、より強力な D300(日本未発売)の購入を検討することをお勧めする。価格は大幅にアップするが、走るステージに関わらず無敵の走りを楽しむことができるだろう。

乗り心地とハンドリングに関しては、レンジローバーの一員であることがよく分かる。標準仕様は18インチタイヤを履き、一般的なコイルスプリングのサスペンションだ。それでも思いのほか軽やかなフットワークで、ロールも上手に抑え込んでいる。ヴェラールを運転するのが最も難しいはずの街中では、ステアリングは軽く操舵でき、ボディの大きさを感じさせない。高速道路やワインディングロードでは舵の手応えが増し、フロントが気持ちよく狙ったラインに向きを変える。

ヴェラールには電子制御エアサスペンションに20インチタイヤを組み合わせた「ダイナミックハンドリングパックも用意されている。乗り心地とハンドリングの妥協点は高く、1クラス上の上質な乗り味を満喫できる。予想した通り、ホットに攻め込むと、コーナーではボディがかなりロールする。当然、BMWやポルシェのようなシャープなハンドリングは期待できない。しかし、ひとたびラフロードに乗り入れるとヴェラールは一段と精彩を放つようになる。悪路や雪道の走破性は非凡で、ライバルの追随を許さない。

センスの良さを感じるインテリア


インテリアも絶品である。 ダッシュボードに見やすい液晶デジタルのメーターパネルが組み込まれ、センターコンソールとその下にも別の液晶スクリーンを配している。華美な演出はないが、ピアノブラックの化粧パネルとよく調和し、センスの良さを感じさせる。キャビンは広くはないが、アップライトパッケージで見晴らしはいいし、後席も満足できる広さを確保している。後席にも電動リクライニング機構が装備されるなど、非常に快適だ。

レンジローバーのなかでも、ヴェラールは高級SUVである。オプションを加えていくとさらに高価なクルマになってしまう。しかし、成功の証であり、人生観が変わってしまう数少ないSUVでもあるのだ。

DATA

レンジローバー ヴェラール D200 R-Dynamic SE:
最高速度:210km/h
0-100km/h加速:8.3秒
複合燃費:13.6km/l(WLT Cモード)
レイアウト:直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボ+48Vマイルド
ハイブリッド
排気量:1997cc
最高出力:204ps(150kW)/3750〜4000rpm
最大トルク:430N・m(43.9kg-m)/1750〜2500rpm
CO2排出量:193kg
価格: 日本仕様 957万円


監修:片岡英明(モーター・ジャーナリスト)

FQ JAPAN VOL.66(2023年春号)より転載

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