育休中の賃金が10割保障になる!? 産後も共働き家庭に安心を与える制度整備が進む
2020/04/04
育休取得に迷っているパパ、プレパパには朗報かもしれない。自民党内で男性のの育休取得を後押しする動きが高まっている。産後4週間は手取り賃金が実質確保されるよう提言する案がまとまったことが明らかになった。
育休中の賃金10割保障を提言へ
自民党のプロジェクトチームの中間提言案が明らかになった。
産後4週間は環境の変化や母体保護の必要性に加え、ホルモンバランスの変化から“産後うつ”にも陥りやすい。その時期にはパパも休業の取得が「望ましい」と提言案は明記し、休業中も賃金が実質10割確保されるよう施策を政府に求めるものだ。今後提言をまとめ、今春にも策定される政府の少子化対策大綱に反映されるよう働きかける。
現行の育児休業給付金の制度では、育休開始から半年間は賃金の67%、半年以降は50%が雇用保険から給付される。10割支給に向けてどのような方法が議論されるのか注目が集まる。
昨年6月には、自民党の議員連盟が安倍総理に、子供が生まれたすべての男性従業員に、申請がなくても休業を付与するよう企業に義務付けるよう法律の整備を提言している。総理大臣も「提言に沿って進めていきたい」と述べたと報じられている。
意識の醸成に見合った制度整備を
子育て中のパパたちは育休取得にどのような意識を持っているだろうか。アデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社は、
・子育て中の30代の男性会社員500人
・子育て中の男性会社員を部下に持つ50代の男性管理職500人
を対象に、仕事や家事・育児分担に関する意識調査を実施した。
30代のパパ側に、「利用した社内の育児支援制度」について質問をしたところ、育休制度については74.2%が「導入されている」と回答したが、そのうちの制度の利用者は23.5%という結果にとどまった。育休の取得はまだまだ限定的なようだ。
一方、50代の男性管理職500人の側には「男性の部下が育休(育児休業や育児休暇)を取得することを、積極的に推進するか」を質問している。76.2%の管理職が「推進する」と回答し、大多数が男性社員の育児支援に対して理解を示していることがわかった。30代パパが育休取得に控えめなのは、もしかしたら忖度しすぎかもしれない。
上司の意識に限らず、男性の育休取得を当然なものとして受け止める機運は醸成されてきている。制度が追い付いていない部分もあるが、先の自民党の動きなどを受けて国会などでも建設的な議論が進むことが望まれる。
DATA
Text:平井達也