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“クズ”になると幸せな人生はない!「社会の外」に開かれた能力が失われている

法を守る生活は
「仮のゲーム」にすぎない

一万年前からの定住化で、定住を支える収穫物のストックを守るために法が生まれ、集団規模が大きくなります。

定住以前(遊動段階)に法はなく、他の猿類と同じく仲間意識と生存戦略を継承するだけで足りました。集団規模は150人を超えません。

法を守って大人数で集住するのは、かつてと違いすぎて不自然。定住を保つという目的で仕方なく法を作ったのに、目的を忘れて「正しさのために法を破る」こともできなくなる。だから祭りをして、言外のシンクロ/法外のシンクロを通じて、法を守る生活が「仮のゲーム」にすぎないのを忘れないようにしました。

つまりケ(気)→ケガレ(気枯れ)→ハレ(ハレ)の循環があったのです。

ケは気=エネルギー。その枯渇が気枯れ=ケガレ。ケガレを晴らす気の再充填がハレ=祭り。祭りには定住を拒絶する被差別民が聖なる存在=エネルギーを持つ存在として呼ばれます。

「ケガレ」「ハレ」の社会が
1980年代から急速に崩れた

話を日本に戻すと、なぜ芸能の民に被差別民が多かったのか。なぜ祭りのテキヤ(デミセ業者)はヤクザなのか。それらは祭りの普遍的ルーツを伝えているのです。昭和に生まれ育った僕ら世代の一部はそうした祭りの本質を肌身で知っています。

先進国だった日本に例外的に残った循環的な定住社会は、1980年代に急速に進んだジェントリフィケーション(環境浄化)で崩れます。「新住民化」と呼びます。



増加する外来居住者が、安心・安全・便利・快適の旗印の下、古い営みを駆逐したのです。

鮮明に記憶しますが、公園から箱ブランコや回旋塔が撤去され、屋上や放課後校庭は立入禁止になり、小川や運河が暗渠化・鉄柵化され、打上げ花火の水平撃ちが禁止され、組事務所や店舗風俗やエロ自販機が撤去され、今世紀までに今みたいになりました。

ちなみに1980年代後半からの「いじめブーム」の背景に、旧住民と新住民の対立がありました。最初は旧住民子弟が新住民子弟をいじめ、やがて逆転して新住民子弟が旧住民子弟をいじめました。1990年代のフィールドワークを通じて確かめたことです。

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PROFILE

宮台真司 SHINJI MIYADAI


1959年宮城県生まれ。社会学者。映画批評家。首都大学東京教授。公共政策プラットフォーム研究評議員。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(社会学博士)。『日本の難点』(幻冬舎)、『14歳からの社会学』(世界文化社)など著作多数。


Text >> 大根田康介

FQ Kids Learning vol.1より転載

 



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