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「しつけのつもり」はもう許されない! 体罰には即効性があるが、かわりに失うものが大きすぎる。

4月から改正児童虐待防止法が施行される。これによってパパママの、子供への体罰は一切が禁止される。何が体罰に当たるかについても厚労省がガイドラインを発表した。体罰をめぐってはさまざまな考えがあるだろう。いくつかの意見を紹介するので、体罰によらない子供のしつけを行うための参考にしてほしい。

親の体罰が一切禁止に

今はどうなのかわからないが、世代的には、いたずらをして学校の先生にデコピンされたことがあるパパは多いのではないだろうか。教師が体罰を行うことは学校教育法第11条において禁止されている。

4月からはパパのデコピンも禁止だ。厚労省が体罰として定義する「子供の身体に苦痛あるいは不快感を引き起こす行為」に該当する。

法改正の背景には、子供が虐待の犠牲になる悲しい事件が相次いだことがある。虐待した側は「しつけのつもりだった」と供述していた。

たとえしつけ目的だろうと、子供の心身に傷が残ったり、まして命が奪われるようなことが許されるわけがない。しかし「愛のムチ」という言葉があるように、体罰を許容するような意識も日本社会には残っていないだろうか。

まだ残る体罰許容の意識

子供がいる人のうち半分が、子供に手を上げたことがあると回答。また、子供の有無にかかわらず、多くの人が「時に体罰は必要」と考えていることがわかった。

※エアトリ調べ

厚労省が体罰のガイドラインを定めたことについては、半数が賛否を留保、13.4%が反対だとした。ガイドライン制定に賛成する人は、何が体罰に当たるかを個々の判断に任せるのは危険だと考え、反対する人は、個々の家庭の教育に介入することは不当だと考えているようだ。どちらの考え方にも説得力があると言えるだろう。




自分で判断できる子に育てよう

厚労省ガイドラインでは具体的にいくつか体罰に当たる例を挙げている。アンケートでは、それらが本当に体罰に当たると思うかも尋ねている。結果はこのようになった。

「他人のものを盗んだ」のような明かな過ちを反省させるためならば体罰には当たらないという意識だろうか。

しかし、本当に「尻を叩く」ような行為が最善の方法なのか、話してわからせることはできないのか、検討の余地はある。子供の発達段階によっても対処は異なってくるが、ここでは2、3歳児の「イヤイヤ」に関して専門家が書いたものを紹介しておこう。

「最も避けたいのは、反抗をおとなの力で押さえつけることです。子どもの「イヤ」は、とかくわがままだととられがち。わがままを許しているからますます反抗するのだと、体罰を与えたり大声で叱って封じようとする親もまだ少なくない。

おとなが力で押さえつければ、即効性があるのは確かな事実だ。しかし、それではせっかく育っている自己を粗末にし、自己の発達を邪魔することになりますので注意が必要。

心理学者で聖心女子大学の高橋惠子名誉教授の著書『子育ての知恵 幼児のための心理学』から引用した。自分で善悪を判断できる人間に育てるためにどのようなしつけが必要なのか、考えてみよう。


DATA

エアトリ


Text:平井達也

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