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子供に”らしさ”を押しつけるのはやめよう。LGBTQ当事者が語る「これからの子育て」

性のことを国が
管理すること自体がおかしい

大阪大学 非常勤講師
谷口真由美先生

続いて、大阪大学非常勤講師の谷口真由美先生が登壇。公益社団法人日本ラグビーフットボール協会理事や「全日本おばちゃん党」代表代行を務めており、TVやラジオ、新聞のコメンテーターとしても活躍中だ。

世界のメディアからの注目も高い谷口先生の専門分野は、国際人権法、ジェンダー法、日本国憲法。

「子育ては、公の場と関わざるを得ない。子育て=パブリックそのもの。LGBTQの当事者は、そもそも弱い立場にあり、さらに生命体として自分よりも弱い存在の子供を育てる。それはとても大変なこと」と述べた。

また、「LGBTQは性的マイノリティ(少数者)を示す言葉だが、マジョリティ(多数者)がもっとも鈍感で、感性が摩耗している状態にある」と厳しく言及。

2019年に開かれた同性婚の法制化を求める裁判を例に取り上げ、同性婚を認めない理由を国側が「結婚は伝統的に、子作りと子育てを目的としているから」と述べたことを強く批判した。

「結婚は伝統的に子作りと子育てを目的としている? 国は性的マイノリティには生産性がないような言い方をしていますよね。ところが産後レポートを見ると、産後75%のカップルには性的交渉がないというデータもある。公人のみなさんはどれだけ生産性があるのか問いたい」

 

“らしさ”の呪縛を解くために

さらに、男らしさ・女らしさと”らしさ”の押し付けと呪縛があることにも言及。「”らしさ”にはなんの根拠もないのに、もっともらしく世間が”らしさ”を語る。当たり前に流されてしまうのではなく、いちいち問いただすことが大事だと思います」

谷口先生は大学教員のかたわら、 2012年に”庶民目線の政治”を訴えるため、おばちゃんたちの底上げとオッサン社会に愛とシャレでツッコミを入れることを目的にFacebook上で「全日本おばちゃん党」を立ち上げる。おばちゃん目線でオッサン政治をチェックしながら問題提起を続け、現在党員は世界各地から6,100名を超える。仏紙リベラシオンのポートレイト欄にも紹介されただけあって、歯に衣着せぬ鋭いツッコミはさすがだ。

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