時事・コラム

なんだこの取り組みは? 育メン留学制度というものがあるらしい。

男性の育休も制度として整備はされつつあるが、取得しづらさが課題となっている。ネックとなっているのはもちろん人員が抜けることによる業務への影響だ。しかし育児経験を組織の財産として活かしていくという発想はできないだろうか。そんな取り組みを始めた企業がある。



育メン留学制度って?

株式会社ナスタは、郵便受け、換気口、表示・サインなど建築物に付随するさまざまなアイテムを扱うメーカーだ。ナスタにはユニークな「育メン留学制度」がある。留学期間は1か月、留学先は「家庭」だ。

この制度の主旨は一般的な育休制度とは少し異なる。家庭での学びを社員の成長の機会ととらえ、その後の仕事に活かしてもらうことも期待しているのだ。だから留学は権利ではなく義務だ。

これからの「住む」をデザインすることを標榜するナスタ社。そこには当然、家庭という視点は欠かせない。

会社と自宅を往復するだけの日々のルーティンでは知ることのない、家庭での‟学び”を得るという目的で育メン留学は制度化された。笹川社長も取得経験者だ。

組織がワンチームになれば出来る!

「留学」した男性社員からはこんな声が上がっている。

「私たち(夫婦)の様子を見て、長女と長男が自発的に手伝いをしてくれるようになり、大変うれしく、そして家族全員にとって良い経験になりました。家族全員が互いを思いやれたことが最大の収穫です」

「すべて妻に任せていたこと(掃除、洗濯、食事の支度、おむつ替え、沐浴、2匹の犬の散歩)を自分はスムーズにできず、改めて妻を尊敬しました」

家族への愛情を新たにし、家事育児の経験を経たことは、仕事への支えと刺激ともなるだろう。

一方、経営側も、この制度によって出産を控えたパートナーを持つ男性社員が一人抜けることを事前に把握したうえで、業務を今まで以上に効率よく回そうとする、会社のチームビルディング向上につながると話す(笹川社長)

育児をすることでパパ自身も育つ!

ナスタは10月19日の「イクメンの日」にちなんで、働くパパ1000人を対象に、「育児に関する意識調査」を行った。

勤め先に育児休暇制度があるのは7割近く、しかし取得したことはない人が9割近くという回答。

9割超の人が、父親も子育てに参加することが当たり前だと思っているが、実際に育児に参加できていると思う人は6割に満たない。

「育児をもっと頑張ろうと思ったきっかけ/出来事は?」という問いに対しては次のような回答が上がった。

1位:「子供が毎日、新しい言葉を覚えていく」「子供に大好きと言われた」

2位:「妻に褒められた」「妻が‟育児をよくやってくれている“と周囲の人に言ってくれた時」

3位:「よそのママにしっかり子育てしていると言われたとき」「子供の友達がパパを自慢していたとき」

そう、パパたちも育児に関わるべきだと思っているし頑張りたいのだが、なかなか仕事を離れられない実情がある。

もちろん子育ては会社や社会のためにするのではない。しかし育児を仕事上のブランクととらえるのではなく、職業人としても人間としても、パパが成長するチャンスととらえる視点が、政治や経営に求められるのではないだろうか。


DATA

株式会社ナスタ「働くパパに聞いた!今どき育メンの実態」

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