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育休取得で人生が狂う……!? パタニティハラスメントが起きない社会を目指すには

「パタニティハラスメント」という言葉を知っているだろうか。マタニティハラスメントなら知っているけれど、という人も多いだろう。パタニティー(paternity)とは「父性」を意味する。妊婦に対するのと同様に、子育て中の父親に対する嫌がらせが問題になっている。

5人に1人が被害者⁉

連合(日本労働組合総連合会)は25歳~49歳の、同居している子供を持つ有職男性1000人を対象に、今年9月にアンケートを行った。アンケートでは労働時間や有休取得、家事や育児への参加の実情を尋ねている。その中で、育児休暇を取った72人にパタニティハラスメントの有無を聞いたところ、20%がそうした行為を受けていたことが明らかになった。
 
どのようなパタニティハラスメントを受けたのだろうか?
 
「復帰したら嫌味を言われた」がもっとも多く、ついで「責任ある仕事を任されなくなった」「昇進・昇給できなかった」「低い人事評価を受けた」「復帰したら新人のような扱いをされた」「異動を命じられた」「転勤を命じられた」と続いている。あなたの職場ではそのような言動はないと言えるだろうか。
 


こんなことを続けていたら
会社も危ない!

ジャーナリストの治部れんげさんはTwitterでこう述べている。
 
「(高校の頃は)女子は家庭科で料理や裁縫、男子は技術で木工をしていました。今日、大学生にそんな話をしたら、???という感じの人が多く『昔の話が面白かった』という感想をいただきました。こういうのを昔の笑い話にしたいものです。ちなみに『家事や育児は女性がやるべきだと思いますか?』と尋ねたら、9割がノーでした。男性育休の取り方、就職先としてオススメしない企業を聞かれたので具体的な情報をお伝えしようと思います。情報と労働者の自発的選択によりパタハラ企業が割を食う社会を目指したい。」
 
社会の意識、常識は変わりつつあるのだ。自分たちで職場の風土を変えていかないと、組織ごと世の中に置いていかれることにもなりかねない。
 
また、アンケート結果に戻るが、2020年までに男性の育児休業取得率を13%にするという政府目標を64.9%が「知らない」と回答した。男性の育児参画を促進するために政府がこの数値目標を掲げているようだ。目標の期限として定めた2020年はすぐそこに迫っているが、まだ十分に認知されていないのも男性育休に対する意識が低いことが伺える。
 

困ったら相談窓口も

「育児や介護のためのさまざまな制度は、男性も利用することができます。『男が育児休業なんて取るのか。人事考課で減点する』などと言われ、制度を利用させてもらえなかった、といったことはありませんか?あきらめずに都道府県労働局に相談してください!」と厚生労働省が発信している。(パンフレット「職場でつらい思いしていませんか?」)
 
また、連合も労働相談を受け付けていて、多く寄せられる相談内容に「パワハラ・嫌がらせ」「解雇・退職強要・契約打切」を挙げている。
 
新たな命を授かったこと、子供を育てられることを職場の仲間と心から喜び合える世の中にしていきたいものだ。
 


DATA

連合「男性の家事・育児参加に関する実態調査2019」
 


Text:平井達也
 

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