夫婦の距離感 vol.01 “産後クライシス”
2014/04/09
産後クライシスは、どうやら、育児や家事を頑張ったり、敏感に妻を思いやったりしていれば回避できるものでもないのだ。
産後クライシスを回避するために、たとえば夫が、妻を腫れ物に触るような扱いをして、その場しのぎ的にご機嫌をとるというのも対症療法的だ。いつまでも効果は持続しない。夫が無理をして、「都合のいい夫」を演じていれば、たしかに産後クライシスの症状は一時的にはおさまるだろう。しかし、それでは問題を先送りしているだけだ。のちのち、かなりの確率でぶり返すことになるだろう。子供の反抗期・独立、妻の職場復帰、夫の転職、セックスレス、病気やケガ、退職など、再び家族システムが揺らぐときに。
ある心理的研究によると、25年以上の結婚歴をもつ人々を対象とした調査の結果、彼らに共通する要素は、夫婦の間に問題がないことではなく、むしろさまざまな葛藤、あるいは不一致に遭遇しながら、夫婦がジレンマを乗り越える希望を失わず、ある種の楽観主義を持ち続けていたことだった。
産後クライシスを「悪いこと」として捉えるのではなくて、「夫婦が成長する機会」だと思って、前向きに対処することが大事なのだ。
■『夫婦の距離感 vol.02』は4/16(水)公開
テーマは「セックスレス」
Text >> TOSHIMASA OTA
【夫婦の距離感 prologue】はコチラ
※FQ JAPAN vol.29(2013年冬号)より転載
(2014.04.09up)