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「オリンピック選手にしたい」は親のエゴ!? 習い事の押し付けがもたらす悲劇とは?

子供への教育方針の違いから、起こってしまう夫婦喧嘩。前編では、その解決法を、アドラー心理学のプロであり、MBAを取得した経営者でもある熊野英一氏にご伝授いただいた。今回お届けする後編では、夫婦の話から子育て論にまで話が及び……。習い事選び真っ最中のパパ&ママに贈る子育て指南!



本シリーズでは、アドラー心理学にもとづいた「親と上司の勇気づけ」のプロフェッショナルであり、多くの企業で講演も行う熊野英一氏に、実際の夫婦の悩みを読み解いてもらった。熊野氏がひたすら優しく、柔らかく、時にユーモラスに対処法を提案する!

夫婦で子育ての意見が異なるのは当たり前のこと。前編では、それを「課題の分離」という方法で解決することを提案した。後編では、子育てにおいての「課題の分離」の必要性を、熊野氏が丁寧に説く!

前編はコチラ

習い事を「共同の課題」にして
親子の行き違いを回避する

編集部:テレビなんかで、オリンピックのメダリストを育てた親御さんの子育て法が紹介されたりしますよね。ああいうのを見ると、かなり親が厳しく、きつく子供に指導している気がするんですが……。「課題の分離」はできてるんでしょうか?

熊野氏:うん、今回のお悩みもそうだけど、子供が空手をやる、やらないっていうのは、一義的には「子供の課題」であることは間違いない。だけどこれを、親子で「共同の課題にする」という方法があります。「空手が上手になりたいなら、パパも応援するよ!」って、合意を取り付けておく。これができればすごくいいですね。

スポーツなどで結果を出しているケースって、「共同の課題」として取り組んでいる人がほとんどだと思いますよ。共通のテーマを持つことで、お互いをリスペクトして、信頼し合える。だからこそ、死ぬ気でトレーニングできるんだと思います。

一方で、ごく一部のサクセス・ストーリーの裏には、同じようにやろうとして、すごく関係が悪化してしまった親子が、実はゴマンといるかもしれない。親は「あなたのためだよ」って言いながら、自分の希望を押しつけて、子供も、期待に応えなければと自分を押し殺して、無理を重ねてしまう。それが何かのはずみでプツッと切れてしまい、親への不信感が一気に噴き出しちゃう。そうなると、そのスポーツを二度とやらなくなったり、最悪、親子関係の断絶にまで至る場合もありますよね。

編集部:そうなるのは悲しいですね……。うまく「共同の課題」にするコツはあるんでしょうか?

熊野氏:それは子供の意思を尊重すること。子供本人が、それが好きとか、それをやりたいってことを自己決定することがすごく大事で。本人がやるって思わないと、つらい練習なんて絶対に続かないから。

ただ、その時の判断材料は、ある程度親が用意してあげないとね。「この練習をすれば、こんなメリットがあるよ」とか、「一生懸命努力すれば、こんなこともできるようになるよ」とか。やみくもに「やれ!」って伝えるんじゃなくて、子供が自己決定できるような素材を与えてあげることが大事。

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