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インタビュー

肩の力を抜いて! 子育てモンテッソーリ教育のプロが語る「大人の役割」とは?

親は子供をしつけ、教育しなければならないと、肩に力が入りすぎていないだろうか。モンテッソーリ教育の立場から見る、お父さん・お母さんに納得していただきたい「大人の役割」とは。「子どもの家」園長の百枝義雄氏に聞いた。

子供の使命=幸せな大人になる

子供に1つだけ使命があるとすれば、それは「幸せな大人になる」ことであると考えています。4歳の今、お行儀よく座れるかどうかという問題と、できなかったことができるようになる喜びを感じられるかどうかといった問題とでは、どちらが子供の人生に対する影響が大きいか、おわかりになると思います。

また親は子供をしつけ、教育しなければならないと、肩に力が入りすぎている方が多い傾向があるように思えました。すべての子供は自分で自分を伸ばす力を持っています。その力を信じ、親子である前に「人間対人間」の関係であることをよく理解すれば悩む必要なんてないんです。モンテッソーリ教育の立場から、ぜひお父さん・お母さんに納得していただきたい「大人の役割」があります。


①人間の模範となる

1つ目の役割は、「人間の模範となる」です。私たち人間は、社会を作って生活する生き物です。子どもが「幸せな大人になる」ためには、人と交わり、人と支え合う力を身につけることが不可欠。子どもは他人との関わり方を身近なモデルから学びます。モデルとは両親のこと。夫婦の会話ににじむ温かさや互いの思いやりは、将来子どもが配偶者を持ち家庭を築いた時の模範となるでしょう。子どもが将来幸せな大人になることを援助する、最も確実でもっとも近道な方法は、お父さん・お母さんが今ある幸せに気づき、大切にし、幸せな大人の姿を見せてあげることです。

②子供の自己イメージの鏡となる

そして2つ目の役割は「子供の自己イメージの鏡となる」ということです。自己イメージとは、自分が何者であるか、という自己評価です。子どもは生まれてすぐには“自分”という意識すらありません。そんな子どもが、家庭内で「この子はまったくどうしようもないね」という言葉を始終浴びていたら、「私(僕)は『まったくどうしようもない』んだ」という自己イメージを形作ってしまうでしょう。厳しくしつけようとして常に強い言葉で叱ったり、反対に無理して誉めたりする必要はありません。子どもを受容し、共感することが大切です。具体的には、いつも「あなたが大好き」という気持ちで接することです。この気持ちは、生まれた時の感動を思い出せばすぐに理解していただけると思います。子どもを愛し、求めることで、子どもは自分が愛され、求められる存在なのだという自己イメージを形成していくのです。

PROFILE

百枝義雄 Yoshio Momoeda

1963 年生まれ。一児(7歳男子)のDAD 。教育現場で様々な年代の子どもたちと過ごしながら、教育のあるべき姿を模索。特に不登校のこども達との出会いをきっかけに「心の教育」を求め、モンテッソーリ教育を志す。現在、吉祥寺こどもの家園長。日本モンテッソーリ教育綜合研究所・教師養成センター実践講師。


FQ JAPAN VOL.8より転載

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