環境教育の新スタンダード! 世界を変えるための「SDGs」
2018/08/17
大人になった子供たちは、どんな世界に暮らしているんだろう。たぶん世界は、このままでは続かない。変えていかなければ、取返しのつかないことになる。でも、いまなら、まだ間に合うはず!子供たちの未来のために、できることはきっとある。SDGs─環境教育の新スタンダード!
子供たちの未来のために
大人になった子供たちは、どんな世界に暮らしているんだろう。大地は豊かで、社会には平和が息づいているだろうか。エネルギーは、彼らの脅威になっていないか?食の安全は、十分に保たれているか?
たぶん世界は、このままでは続かない。変えていかなければ、取返しのつかないことになる。でも、いまなら、まだ間に合うはず!変えていこう、世界を。実現しよう、私たちの手で。子供たちの未来のために、できることはきっとある。SDGs──それは、子供たちへのギフトになる。
子供たちに何を遺すか
2030年に向けた国際目標
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2015年の国連総会で採択された、2030年に向けての国際社会共通の目標だ。その根底にあるのは、従来の開発の進め方では持続可能な社会は築けないという認識。いま変えていかなければ世界は大変なことになってしまう、将来世代に負の遺産を残すことにもなりかねない、という危機感だ。
世界ではSDGsに基づいた政策や、企業活動が標準化してきている。しかし日本では、SDGsという言葉さえ広まってはいない。でも、やっぱりそれじゃダメなんだ。私たちFQ編集部では、いま改めてSDGsについて考えてみたいと思う。それは、世界の未来をテーマにした大きな話ではあるけれど、子供たちの明日につながる切実な問題でもあるのだから。
17のゴールを目指す
169項目のターゲット
SDGsは17のゴール(目標)と、その内容を具体的に示した169項目のターゲット(達成基準)からなる。どれも先進国と途上国が一丸となって達成すべきものであり、人類の持続的な繁栄のために不可欠なものばかりだ。
17の目標は、上のアイコンで示した通り。貧困や飢餓をなくし、男女平等のもと、安全で健康な生活を送れるようにすること。クリーンなエネルギーを増やし、地球環境を守ること。働きがいのある人間らしい仕事や、それを支える産業・社会基盤を確立すること、などに整理することができる。
貧困をなくし、食を育み
持続可能なエネルギーを拡大
少し詳しくみてみよう。例えば、目標2(飢餓ゼロ)には、「飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」とある。そして関連ターゲットとしては、「2030年までにあらゆる形態の栄養失調を撲滅し、若年女子、妊婦・授乳婦、および高齢者の栄養ニーズへの対処を行う」、「2030年までに、持続可能な食糧生産システムを確保し、生産性および生産の向上につながるレジリエントな農業を実践することにより、生態系の保全、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水その他の災害への適応能力向上、および土地と土壌の質の漸進的改良を促す」などと具体的に記す。
また、目標7(エネルギー)では、「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」ことを謳う。そして関連ターゲットの1つとして、「2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる」ことを明記する。日本においても、真剣に考えられるべき指針だといえるだろう。
公平で寛容な開かれた世界
すべての子供に幸せを
SDGsが掲げる「目指すべき世界」には、次の一節が記されている。「すべての子供が暴力および搾取から解放される世界。すべての女性と女児が完全なジェンダー平等を享受し、その能力強化を阻む法的、社会的、経済的な障害が取り除かれる世界。そして、最も脆弱な人々のニーズが満たされる、公正で、寛容な、開かれた世界」。
そう、これはまさに私たちが目指している世界だ。国や企業に任せているだけで、済まされる話ではない。
Text >> KIMINORI HIROMACHI
FQ JAPAN VOL.47より転載