3児の父親である爆笑問題・田中裕二を悩ませる意外な子育ての苦悩とは?
2018/04/20
特別なことはしなくても
育児を通して家族になれた
すっかり父親の顔になっている田中さんだが、トントン拍子で3児の父親になることに、戸惑いはなかったのだろうか。
「ママが朝ごはんを作ってくれているので、僕が子供たちを起こしてなんとかリビングまで運んで、そうこうしてると赤ちゃんが泣き出して……毎朝そんなことをしていると、パパだなって実感します。特別なことはなくて、みんなでお風呂に入って、ママが身体ふいてくれてって協力しあって育児をしているうちに、家族になれた気がしますね。目が回りますけど、今じゃ子供たちがいない方が想像できないくらいになってます。楽しいですよ、毎日」。
2017年には『イクメンオブザイヤー』と『ペアレンティングアワードパパ部門』をW受賞した田中さんだが、「子育てを手伝っているといってもできているのは5%くらいじゃないですか?」と、その姿勢はいたって謙虚。そこには妻へのリスペクトがあるようだ。
「母親とか女性の凄さには、とてもじゃないけどかなわない。夜中何度も起こされて眠れなくても朝起きて、朝ごはん作って、おむつ替えて、家族の洗濯して、掃除して……って考えると、仕事のほうが全然ラクじゃない?って思っちゃいます。育休とかって“休”じゃないですよね。
ママはこんなに大変なのか
父親になって気づいたこと
うちの妻はすごく強い。そして愛情深いところが好きです。いつも子供のために一生懸命で、僕と再婚するまではシングルマザーとして2人の子供を気丈に育ててきたわけですから。僕が父親になって思うのは、ママがこんなにも大変なのかという驚き。彼女の強さには本当に頭が下がります。僕ができることといったら”ありがとう”ということぐらいです」。
そして、もえさんの強さが垣間見れるエピソードも教えてくれた。
「子供が習い事のプールに行きたくないと駄々をこねても、ダメ!と言って休ませない。僕なんか『いいじゃんもう今日くらい休ませちゃえば』ってなりますけど(笑)、ママ怖いと言われながらも、ちゃんと子供のためにやっている。子供たちも今は怖いだけだろうけど、大人になればちゃんと愛情だったとわかるだろうし、妻のそういうところは尊敬もしていますね」。
時には田中さんもぴしゃりとやられるという。
「たとえば冷蔵庫のヨーグルト。賞味期限の古いほうから食べりゃあいいのに、うっかり新しいのを食べちゃって妻に叱られます。すぐに『ごめん』と謝りますが、その様子を見た子供たちは、やいのやいの大喜びですよ(笑)」。
父親になって伝えたいのは
“ママを大事にしなさい”
テレビを通してみる、田中さんの優しい人柄は家庭でも変わらない。もえさんの妊婦検診にはすべて付き添い、赤ちゃんの寝かしつけから学校の送り迎え、温泉旅行先ではレンタサイクルで子供たちとのツーリング。そして、どんなに遅く帰っても、子供たちが出かける朝には「いってらっしゃい」と見送るなど、タレント業で多忙を極めながらも、コツコツと父親業をこなし、心の底から育児を楽しんでいる。そんな田中さんが考える、理想の父親像は何だろう?
「結婚するまでは僕自身が子供でしたから、子供中心の人生なんて考えられませんでした。そんな僕が子供たちによく言って聞かせるのは”ママを大事にしなさい”ということ。特に唯一の男の子でもある小1の息子には『今はちっちゃいけど、パパなんかよりすぐに大きくなって、この家でいちばん強くなるんだから。ママとかお姉ちゃん、妹を守らなきゃダメだよ』ってよく言っています。理想の父親像というより、子供たちに嫌われなきゃそれでいいですね」。
「子育てにおいて何が一番大切か。そりゃあ夫婦がいつでも仲良しでいることに尽きます」と相変わらずの愛妻家ぶりも発揮していた。
最大の悩みといえば、高い高いが全然高くないこと。長女から『低っ!』とツッコまれます(笑)
PROFILE
爆笑問題 田中 裕二
1965年1月10日生まれ。東京都出身。1988年結成の漫才コンビ「爆笑問題」ではツッコミを担当。政治から芸能界まで様々な社会現象を斬る漫才は、若者だけでなく幅広い年齢層に支持されている。現在、テレビ・ラジオのレギュラー番組に出演する他、雑誌の連載も手がけ、「ドラえもん のび太の宇宙英雄記」(2015)や「モンスターズ・インク」(2001)などの映画で吹き替えを担当するなど、マルチな才能を発揮。プライベートでは、2015年にタレントの山口もえさんと再婚し3児の父に。
Photo » MIHO FUJIKI
Text » MIKAKO HIROSE
Styling » MASAE UEDA
Hair&Make » KEIKO MIYAGAWA
FQ JAPAN VOL.46より転載