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インタビュー

窪塚洋介「塾に行ってる時間に友達と遊んだほうが、人生の大切なものが見つかる」

答えを1つに決めるのはもったいない。自分がやりたいという気持ちで動きたい。窪塚洋介という男の子育ては、彼の生き方そのものだ。前妻との息子(13歳)、妻のお腹に新たに宿った生命について今、想うこと。

1回きりの人生
踏み締めて、噛み締めて生きなきゃ

役者生活21年。今年1月に公開されたマーティン・スコセッシ監督のハリウッド映画『沈黙─サイレンス─』で世界デビューを果たした窪塚洋介さん。早くも、次の海外作品の撮影が始まる中、熱い想いで撮影に臨んだバディムービー『アリーキャット』が7月に公開される。

「実は、映画の台本を手にする2週間前、偶然、相手役の降谷建志くんに、知人の結婚式で会ったんですよ。互いに『おう!』なんて気軽に挨拶を交わしたけど、直後に、『俺ら、初対面だよね』って(笑)。俺はロックシーンに友人も多くて、彼とは近い距離にいたはずなんだけどニアミス続きで。

結婚式でお祝いの歌を歌う建志くんはやっぱりかっこよくて、いい男だなと思っていたところに映画のオファーがきたから、これはもう、レゲエ的にいうガイダンス、導きだなと思って、台本を読むところから前のめりでしたね」。

元ボクサーで警備員のバイトで食い扶持をつなぐマルと、自動車整備工のリリィ。街の片隅で不器用に暮らす2人が出会い、ひょんなことから身に危険の迫る事件に巻き込まれ、互いに成長を遂げていく──。



「ストーリーはどこか昭和的で古臭くもあるけど、マルやリリィのように、くすぶったまま、ボヤッと日常に溶け込んで、なんとなく生きている人は、この時代にもたくさんいるのかなって。

なんとなく生きることは、なんとなく死んでいくことでしょ? 俺からしたら、1回きりの人生、踏み締めて、噛み締めて生きなきゃもったいないと思うけど、映画の中の2人は、声なき声の大多数の心境と似ているんでしょうね」。

「have to」ではなく
「want to」を大事に動きたい

やりたいことがあっても、自ら己の可能性に蓋をする。そんな生き方に対して、窪塚さんは否定的だ。

「この国では、何々しなければならない、『have to』な感覚で生きている人が多いけど、それじゃあ人生楽しくないだろうな、って。自分の中では、あわよくば、『want to』これがしたい! ですべての瞬間を動きたいと思ってる。

俺は俳優だけどレゲエも歌うし、写真も撮る。役者は演じるだけっていうのは過去の話で、今の時代、自分の仕事はこれだからって決めつけて自分を縛る必要はなくて、文章がうまいやつは本を書けばいいし、詩が好きなら発表すればいい。自分が動くことで輪が広がって、さらに新しい可能性が生まれるのを俺は何度も経験してるから」。

今回も映画での共演をきっかけにレゲエアーティスト卍LINE(窪塚洋介)とKj(降谷建志)が音楽シーンで初タッグを組み、オンライン配信で『SoulShip』をリリースするという新しい流れが生まれた。この楽曲はインディーズながら、iTunesストアのミュージックビデオ部門で1位を獲得するなど、幅広い層から高い支持を集めている。

「いつも数字ではないと言ってるけど、映画と同じように、人生についてのメッセージを込めた歌が、この時代に、多くの人に届いたことが素直にうれしかったです。この歌と映画は両輪だから、観て、聴いてもらえたら、相乗効果でより深いところまでメッセージが届くんじゃないかっていう期待は大きいですね」。

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