連載 第11回 笑顔のさんきゅうパパを増やそう
2015/07/29
厚労省でも男性育休の啓発事業として行っている「くるみんマーク」をさらにグレードアップさせた「プラチナくるみん」を創設。
既存の「くるみん」を取得している企業が「プラチナ」を得るためには、男性の育休率を上げる必要性がある。現在全国で10社以上が「プラチナくるみん」を既に取得しているが、「男性育休100%」を目標にする企業が今後さらに増えていけば、相乗効果も出てくるだろう。
まずは、社内改革が必須だ。「女性活躍」と「男性の育児参画」、そして「管理職改革」は3点セットといえるのだ。
また内閣府でも少子化対策の下、男性の「産休」取得率を5年後に80%にするという目標を掲げて、『さんきゅうパパプロジェクト』を始動させた。男性の産休80%を達成するためには、制度の充実とともに職場の風土改革が求められる。厚労省の調査でも、夫の家事・育児時間が長いほど第2子以降の出生割合が高くなっているという結果がでている。
目先の利益だけを追って、長時間労働を強いて、休みづらい風土を作ってしまっている企業は、少子化に拍車をかけるだけでなく、自ら企業の将来、そして社会全体の活力を衰退させていることにそろそろ気づくべきだろう。
FJは、5年後の調査結果をよりよいものにするために、「イクボスプロジェクト」を連動することで男性育休の推進し、職場改革を進める企業を増やしていきたいと考えている。
安藤 哲也(TETSUYA ANDO)
1962年生まれ。2男1女の父親。出版企業やIT系企業を経て、2006年、NPO法人ファザーリング・ジャパン(FJ)を立ち上げ、5年間代表を務める。一時期は副代表であったが、2014年に再度代表に就任。NPO法人タイガーマスク基金代表。「パパ’s絵本プロジェクト」メンバー、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進チーム顧問、内閣府・男女共同参画推進連携会議委員、子育て応援とうきょう会議実行委員、にっぽん子育て応援団団長、ラジオパーソナリティなどその活動は多岐に渡る。最新著書に『父親を嫌っていた僕が「笑顔のパパ」になれた理由』(廣済堂新書)がある。
●「FJ代表・安藤哲也の男の育児“ファザーリング”最前線」記事一覧
https://fqmagazine.jp/tag/fathering/
●「イクボス集中講座」記事一覧
https://fqmagazine.jp/tag/ikuboss/
(2015.7.29up)