フィンランドの子育て夫婦が理想的! 世界の夫婦事情
2015/04/13
フィンランドでは既に1970年代からの歴史がある「事実婚」。18歳で成人するこの国では、その位の年齢で親元を離れて暮らすようになるのだが、何をするにも税金が高いので、恋人ができると経済的な理由からも住まいを共にする傾向が強い。
▼ 各国の夫婦のカタチもチェック!
CASE01・02 from France
フランス人の結婚は3種類 自分のスタイルで幸せになる!
CASE03 from USA
結婚観や夫婦観は人それぞれ同姓婚や未婚派も急増中!
CASE04 from Italy
カトリックが結婚形態までも左右する意外と古風なイタリア
from Finland
新しい幸せのカタチ ―― フィンランドの事実婚
フィンランドは事実婚でも夫婦円満で子育てがしやすい
フィンランドでは既に1970年代からの歴史がある「事実婚」。18歳で成人するこの国では、その位の年齢で親元を離れて暮らすようになるのだが、何をするにも税金が高いので、恋人ができると経済的な理由からも住まいを共にする傾向が強い。
筆者が2000年に初めて出会ったフィンランド人の事実婚者は育児休暇から復帰したばかりのママ。「結婚したのはいつ?」と聞くと、「子供の父親とは結婚はしてないの。私たちの愛は神に誓わなくても証明できるから」と断じられた。
実際に2013年の統計を見ても、フィンランドでは55万世帯の子供がいる家庭のうち12万世帯が事実婚家庭だ。フィンランド人の夫も、「君が日本人だから結婚した」という。そこで事実婚と結婚の違いを聞くと、「事実婚なら分かれても普通の別れだが、結婚は分かれると離婚になるわけで、衝撃が大きい」とのことだった。
子供までいて一緒に暮らしていたら、事実婚の別れでも離婚並みに痛いと思うのだが、この辺の感覚は、結婚を神との契約ととらえるキリスト教国の人らしい。まぁ全体的には結婚も事実婚も増加傾向にあるので、少人口の国としてはおめでたい限りである。
●CASE05 互いを支える二人三脚な関係
フィンランドの学校で愛用されているILOAチェアのデザインで著名なヨナスさん。2009年にデザイン事務所を設立し、破竹の勢いでデザイン活動を続けている彼は、まだ手がかかる5歳と2歳児のパパでもある。一家は、アアルトの建造物が美しいユヴァスキュラ市に暮らし、事業主として不規則なヨナスさんの仕事を、会社員のキルシさんが調整し、ヨナスさんは家で仕事している利点を活かし、キルシさんの忙しい朝と帰宅時間を支えている。性格もワークライフも異なる2人だが、芸術鑑賞や旅行など共通の趣味が夫婦を強く結びつけている。
▼平日のタイムスケジュール
23:00◆◆就寝
6:30 | ◆起床、朝食 |
---|---|
7:30 | ◆子供たちと起床 |
8:00 | ◆長男をホームデイケアに送って出勤 ◆長女を保育園へ送る |
8:30 | ◆自宅オフィスに戻ってから朝食 |
9:00 | ◆仕事 |
16:00 | ◆仕事を終え、長女のお迎え ◆会社を出て、長男のお迎え |
17:00 | ◆◆家族で夕食 |
18:00 | ◆◆長女の習い事(習い事がない日は自宅で遊ぶ) |
19:00 | ◆◆夜食、シャワー入浴、本の読み聞かせ |
21:00 | ◆◆子供たちが就寝。夫婦は自分の時間を過ごす |
【2人はどんな夫婦関係を築いている?】
私たちは“程よく”性格が異なり、それでいてアートや音楽、デザインに旅行など、同じものに興味がある二人です。
【いつまでも良い夫婦でいる秘訣は何?】
ヨナスさん:妻からは、デザイナーとして、事業主として、十分な働きができるような自由とサポートを受けています。
ご夫婦:子供達の祖父母たちからもたくさんの協力を得ていますが、それでも、2人の自由な時間は子供達との時間に取られてしまいます。なので、私たちはできる限り、家のことと同様、仕事関係のことでもお互いに協力しあうようにしています。
【プロフィール】
夫:ヨナス ハカニエミ(39歳・デザイナー)
妻:キルシ ハカニエミ(36歳・ケスキスオマライネン新聞のデジタルメディアマネージャー)
長女:アイリ ハカニエミ (5歳)
長男:オラヴィ ハカニエミ(2歳)
結婚9年目
FQ JAPAN VOL.33
2014-2015 WINTER ISSUE
世界各国の夫婦のあり方はもちろん、日本の様々な“夫婦のカンケイ”を大特集!
Text » SACHIKO KUTUKE
(2015.4.13up)
※FQ JAPAN VOL.33(2014-15冬号)より一部転載