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地域が育児を支えてくれる
「子ども・子育て支援新制度」を知っておこう

一時預かり、ショートステイ、ファミサポなど…… 新制度施行でより充実する公的サービスについて、厚生労働省にお話を伺いました

一時預かり、ショートステイ、ファミリー・サポート・センターなど、
新制度施行でより充実する公的サービスについて、厚生労働省にお話を伺いました。

さまざまな公的サービスを知ることで
育児を充実したものに

「子ども・子育て支援新制度」は、共働き家庭だけでなく、幼稚園や保育所に通っていない子供を持つ家庭も含め、すべての子育て家庭を支援する仕組みだ。前号までは、幼稚園、保育所、認定こども園など、子供を継続的に預ける施設に重点を置いて紹介してきたが、今回は、それ以外の地域の子育て支援サービスについて紹介していこう。

在宅で育児をする母親(専業主婦)やパートタイム就労の家庭の間でニーズが高いのが、一時預かりだ。しかし、従来の保育所中心の一時預かりでは、ニーズをまかない切れていない自治体が多い。そこで新制度では、保育所や地域の子育てひろばに併設の場合の職員配置を柔軟にし、併設しやすくする、保育所などの空き定員を利用した一時預かりを行うなどの措置をとり、定員を増やしていく予定だ。

また、障がいを持つ子供や病気がちで登園が難しい子供、母子家庭で夜勤がある場合などに利用できる、居宅訪問型の一時預かり事業も新たにスタートする。「まずは、自治体ごとに一時保育のニーズがどのくらいあるのかを調査し、5年間をかけて整備していく予定です」(少子化対策企画室長・竹林氏)。

そして、一時預かりに加えて、パパが知っておきたいのが、短期入所生活援助(ショートステイ)事業と夜間養護等(トワイライトステイ)事業だ。前者は、保護者の疾病や仕事などの理由だけでなく、育児不安や育児疲れなどで負担軽減が必要な場合にも、子供を短期間預けることができる。また、後者は夜勤や出張などの場合に、子供を夜間に預けることができる。いずれも母子家庭向けのサービスととらえられがちだが、母子家庭以外でも利用が可能だ。

「これらのサービスについては、あまり知られていないのが実情です。民間の派遣ベビーシッターだけでなく、さまざまな公的サービスがあることをパパたちにも知っていただきたいと思います」(竹林氏)。

もう1つ知っておきたいのが「ファミリー・サポート・センター」だ。これは、援助を受けたい会員(子育て中の保護者)と援助を行いたい会員(子育てを終えた人、シニアなど)を結びつける相互援助組織。子供の預かりのほか、保育施設への送迎や病児・病後児の預かりなどにも対応している。都市部などではすでに設置している自治体も多いが、新制度施行後は、より多くの地域に広がることが期待されている。このように、充実した子育て支援サービスがあっても、それが利用者に届かなければ意味がない。そこで新制度では、「市町村子ども・子育て支援事業計画」(子育て支援サービスの地域全体での整備)と「利用者支援事業」(サービスと利用者の橋渡し)を車の両輪と位置づけている。

「自分が暮らす地域にどんな子育て支援サービスがあるか知らない、知っていても、多様なサービスのうち、どれを利用すればいいのかわからない……という方は多いと思います。利用者支援事業は、そんな子育て家庭に、適切な施設やサービスを紹介するための事業です。行政の窓口を訪ねるよりもっと気軽に相談できる場として、地域の子育てひろばなどに利用者支援専門職員を配置し、利用者にアドバイスをします。サービスを充実させるだけでなく、より多くの方が自分にあったサービスを利用できる環境を整えることが、新制度の目標の一つとなっています」(竹林氏)。

子育て支援サービスは、自治体によりさまざまだ。ママ任せにせず、自分が暮らす地域ではどのようなサービスが利用できるのか、一度調べてみてはいかがだろうか。

竹林悟史
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 総務課 少子化対策企画室長
内閣府 子ども・子育て支援制度施行準備室併任
◆厚生労働省 www.mhlw.go.jp
◆子ども・子育て支援 www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate

Text >> FUKA SASAHARA
※FQ JAPAN vol.33(2014年冬号)より転載
(2014.12.7up)

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