世界が認める理想の父親?ブラッド・ピットが目指していた家族像とは
2013/09/01
待望の実子はナミビアで出産
ブラッドが私生活の変化を楽しんでいるのは疑いないが、仕事のほうも目下絶好調だ。彼は俳優以外にも活動範囲を広げ、『Running with Scissors』(日本未公開)、『ディパーテッド』(本年度アカデミー賞作品賞受賞)、そして主演も兼ねる『The Assassination Of Jesse JamesBy The Coward Robert Ford』(日本未公開)という3本の話題作では、プロデューサーとして名を連ねている。日本でも現在大ヒット公開中の『バベル』では、ゴールデン・グローブ賞の助演男優賞にノミネートされた。
ブラッドが喜んだのは、『バベル』の撮影で、人里離れたモロッコの砂漠地帯に滞在した時の事だ。「誰も僕が誰かなんて知らなかったんだよ」と、彼は嬉しそうに語る。「僕たちは月面のような荒野の真ん中にある小さな村まで、車で1時間かけて通わなきゃならなかった。電気もない村だったから、撮影のために電線を引いたんだ」。
いかにもブラッドらしいコメントである。彼はピープル誌から「最もセクシーな男性」の称号を2度贈られた栄誉にすら困惑を見せ、どこへ行っても騒がれてしまうことには心から嫌気がさしているのだ。これは自分自身のことよりも、愛する子供に害が及ぶことへの警戒心も大いに含んでのことだろう。
これは昨年、実子のシャイロちゃんを出産した時の行動にもよく表れている。ブラッドとアンジーは、国籍のあるアメリカではなく、アフリカのナミビアを出産場所に選んだのである。これはひとえに、大切な我が子をマスコミの好奇の目から守るためだ。
実際、ブラッド自身もこうコメントしている。「僕たちは、子供を世に送り出すにあたって、僕たち自身と子供たちのために少しでもプライバシーを守れるところを探していたんだ」。 彼は映画界のスーパースターでありながら、“家族を守る”という父親の最大の役割というものを決して忘れない。HERO DADたる所以である。
「ブラッズ11」が狙うターゲットとは
さてこの夏、『オーシャンズ11』『オーシャンズ12』に続く話題作『オーシャンズ13』が日本に上陸する。もちろんブラッドは、いかさまトランプ師ラスティ役を好演。『11』ではラスベガスの地下金庫から現金1億6,000ドルを盗み出し、『12』では門外不出の名宝と引き換えに1億9,000万ドルを手中に収めた。さて『13』で、史上最強の犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」はどんなお宝を狙うのだろうか!?
新たな犯罪ゲームの幕開けだ!一方「子供を9人に増やしてサッカーチームを作る」と公言しているブラッド。彼ら、未来の「ブラッズ11(イレブン)」の動向も気になるところではある。ただし、こちらのドリームチームは、ハラハラするゲームとは無縁。 ”家族の絆”をいう宝物を手に入れた彼らにとって、もはやラスベガスの大金も、門外不出の財宝も盗む必要はないのだから。
2007年6月発売「FQ JAPAN」vol.3で掲載された記事です