【オトコの妊活塾】2人目妊活のカギは精子の質!妊活中のNG行為とは
2024/11/27
不妊の原因の半数は男性。にも関わらず、妊活に対する意識は女性に比べると低く、知らないことが多いという現状がある。そこで今回は、男性不妊の原因とその改善方法を専門家である辻村先生がレクチャー。正しい知識を身につけ、2 人目妊活の成功に繋げよう!
1. 「30代後半の妊娠率は20%以下 2人目妊活は精子の質がカギに」
2. 「あなたは大丈夫?妊活中のNG行為」
3. まとめ
30代後半の妊娠率は20%以下
2人目妊活は精子の質がカギに
35歳を超えると女性の妊娠率が下がることはよく知られていますが、男性もまた加齢により妊娠させる能力が低下することが分かっています。特に、男性が40歳以上、女性が35歳以上の場合、最も妊娠率が高い日でも20%以下まで下がります(図)。そのため、男性も2人目妊活においては早めに対策を取る必要があるのです。男性側の不妊は、約8割が精子の数・質の低下で、次いで性機能障害、精路の問題が原因として挙げられます。特に、睾丸が小さい人(指3本と同等の大きさが正常)や勃起力が低下している人は、精子の質が低下する可能性が高いため、検査を受けた方がよいでしょう。また、肥満や高血圧、ストレスなどの生活習慣病は精子の質に影響を与えるため、健康な生活を心がけることも大切です。不妊症の目安は1年とされていますが、2人目妊活は時間との勝負。悩んでいるパパは、早めに医療機関で検査を受けて状態を把握し、人工授精や体外受精なども選択肢のひとつとして、自分たちに合った妊活を考えてみても良いかもしれません。
●年齢による妊娠率の変化(排卵日を0としたときの妊娠率)
あなたは大丈夫?
妊活中のNG行為
健康に気をつかっているから大丈夫と思っているパパでも、実はNG行為を行っている可能性もあります。例えば、サウナ。健康に良さそうなイメージがありますが、睾丸が過熱し、精子の生成や質に悪影響を与えるとされています。また、生活習慣病にも注意が必要です。肥満や高血圧、糖尿病といったメタボリックシンドロームの病状が3つ以上あると、子宮外妊娠、流産、死産を引き起こす可能性も指摘されているため、適正体重を維持することを意識しましょう。そして、重要なのが食事。3食を規則正しく取ることはもちろん、亜鉛やビタミンB12など精子の質を改善する栄養素を上手に取り入れましょう。普段の食事では十分に栄養素を補給することができない場合は、妊活用のサプリやプロテインに頼るのも手です。経済的な理由で2人目妊活をためらう家庭も多いかと思われますが、その間にも精子の数・質はどんどん下がっていきます。もし2人目を望むのであれば、妊娠可能年齢を意識しながら、正しい知識を身に着けて、夫婦円満な状態で取り組んでいただきたいです。
精子の質を下げるNGリスト
❌️ぴったりしたアンダーウェアの着用
❌️禁欲期間が長い
❌️育毛剤の服用
❌️膝上での長時間のPC作業
❌️過度な運動や局部に負担を与える姿勢
❌️過剰なアルコールの摂取や喫煙
まとめ
★男性も加齢により精子の数・質が低下するため、2人目妊活においては早めの対策を
★自分たちの状態を把握し、必要なアイテムや医療機関の活用法を考えることが大切
教えてくれた人
辻村 晃先生
大阪大学医学部泌尿器科准教授などを経て、順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科教授。Dクリニック東京でも従事。特に生殖医学、性機能障害の治療に注力し、不妊に悩む数多くの夫婦を助けてきた。著書に『名医が教える男性妊活最強辞典』(扶桑社)。
イラスト/アサミヤ カオリ
文/竹治昭宏
FQ JAPAN BABY&KIDS VOL.65(2023年夏号)より転載