屋内でも要注意!! 我が子を守る熱中症対策
2015/08/13
処置編
熱中症になってしまったら
どんなに注意を払っても、なってしまう危険性があるのが熱中症。すぐやるべきことは? 正しい水分補給法は? 病院へ行くタイミングは? いざとなっても慌てないための「対処法」をマスターしよう!
子供の様子を観察するのが大切
病院に行くかの判断は早めに
「まず病院でやることは、熱の測定。次に歩行可能か、会話ができるかなどの全身状態を診て、体を冷やし水分を少しずつ補給します。1回1口約100〜200ccです。ここまでは、ご家庭でも同じようにできることですよね。病院に来る前に、応急処置としてここまではやっておくことをおすすめします。病院では意識があいまいな場合、点滴を行ないます」。
ここで言う水分とは、「水」ではなく「イオン水」。大量に汗をかいた後は血液中の塩分が少なくなり、水を飲むことでさらに塩分濃度が低下する。汗をかいた時に失われた水分・ナトリウム・カリウムなどの電解質(イオン)を含むのがイオン水だ。
「どの状態まで自宅で様子を見たらいいのか、親としてはすごく判断に迷われることでしょう。でも重要なのは、お子さんの様子をよく観察することです。どうもいつもと様子が違うな、と一番わかるのが親ですから。元気がなく、ぐったりしているようであれば、涼しい場所に移動させ、風を送り、水分補給を。顔色が赤いならまだ軽度で、青くなっていたら注意が必要です。コミュケーションをとるのが難しいと判断されたら、迷わず病院にいらしてください」。
親がどんなに注意していても、真夏は熱中症になりやすい。だから最低限、前ページで挙げた「外出時3点セット」は用意して出かけたい。汗をかいた時の着替えなどもあればよりベストだ。これが慌てないための安心セットにもなる。
もしかして熱中症?
自宅でできる対処法
① 熱を測る
夏場は38℃前後であれば微熱の範囲内。熱中症の場合は、パーッと上がって、冷やせばサッと下がる。39℃以上が一晩以上も続くようであれば診察を。
② 全身状態をチェック!
元気はあるか。顔色はどうか。食欲はあるか。頭痛・吐き気はないか。歩行可能か。会話ができるか。以上7点をチェック。
③ 熱があれば、なるべく涼しい場所に移し、3ヶ所を冷す
動脈が走っている次の3ヶ所「首の左右(頸動脈)」「わきの下」「足の付け根」を冷たいタオルで冷す。
④ 水分補給
少しずつ水分を(1回100〜200cc程度)を飲ませる。続けて数時間経っても改善しないようであれば、病院へ。
監修
粂川好男(くめかわよしお)
杉並堀ノ内クリニック・小児科専門医。「安心と笑顔を持ち帰られるクリニック」がモットー。
幼少時に腎臓病を患い、長期入院した経験から、一生の仕事として医師となることを決意。
Illustration » KOUICHI KITA
Text » MIKAKO HIROSE
FQ JAPAN VOL.19(2011年夏号)より転載