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時事・コラム

父親として生きる人生100年時代のキャリアデザインとライフシフトとは?

ファザーリング・ジャパン(FJ)代表・安藤哲也さんのコラム「父親行動論」。人生100年時代。定年後のライフスタイルは30歳代から考えて行動するべきと語る。都会と田舎どちらに住むのがよいのだろうか?

今いる場所から移住するのは
育児期間中は簡単ではない

前号では『プチ移住で地域の土台を築く』と題して、私が5月の1ヵ月間に行った山形県河北町へのプチ移住について、その狙いや活動についてお話しました。人生100年時代となった今、還暦を迎えたタイミングで自身の『サステナビリティ』を考慮して、キャリアデザインを再考した結果、新しい挑戦としてプチ移住を始めることにしたのです。これまでのキャリアを活かすことで移住先の地域を『サステナブル』にしたい、それをライフワークにしよう、という狙いもお話しました。

そして8月からは、兵庫県の新温泉町にプチ移住しています。河北町へのプチ移住と同じく『100 DIVE』プロジェクトの一環です。その間、これまでの仕事は継続して行いますし、現地ではジェンダー平等の講演会や、高校生にキャリアに関する講演を、またイクメン講座などを開催します。

こう書くと「プチ移住って面白そうだな!」と思うかも知れませんが、現役子育て世代にとっては、期間限定のプチ移住とはいえ、家庭を空けるのは得策とは言えません。ただでさえ大変な家事・育児が残されたパートナーに集中してしまいますし、子供と触れ合う時間も激減してしまいます。

人生100年時代のキャリア
定年後に考えるのは遅い

だからと言って、定年までダラダラと仕事中心の生活をしていれば良いのかと言えば、そんなことはありません。30歳代からキャリアデザインやライフシフトについて考えて行動するべきです。

そこでオススメしたいのが、地域で活躍するメンズ=イキメンです。PTAの役員やキャリア教育を学校で行う、消防団やスポーツチームのパパコーチをしても良いでしょう。こうして自らが動いて地域を住み良くするのがイキメンです。「父の日を前に、みんなで地域をきれいにしよう!」という活動が行われたのをご存知でしょうか?

パパ有志によって企画されたちょっとした活動ですが、賛同者が続出して全国で同時に地域清掃が行われました。参加者からは「地域の人に喜ばれた!」「地域の人と仲良くなるきっかけが出来た!」といった喜びの声が上がっています。


「全国各地で同時にスタートする清掃活動」は、サスティナブルパパをめざす全国ネットワークの呼びかけにより企画され、日本中で多くのパパ有志が参加した。

多くの若い人が「地方が嫌だから……」と東京に出て来ます。ところが子育て期になると、その嫌だったところ=人間関係が欲しくなるのだから不思議なものです。「人と人との繋がりのある土地で暮らしたい」「自然豊かな環境で子育てしたい」などと幻想を抱くのではなく、今いる地域を子育てしやすい町に自分たちで変えて行けば良いのです。

大切なのは、人生100年時代のキャリアを考える、ということ。都会に住むことは、子育てにおいてマイナスではありません。キャリアやお金のことを考えれば、都会の方が有利と言えます。だから子育て期間はご飯を食べるために働く=ライスワークでOK。

一方で、定年が近付いてくる頃には育児も終わっていますから、そこからは人生を楽しむために働く=ライフワークが適しています。育児現役のうちから準備をしておかないと、定年後に趣味や生きがいの無い『終わった人』になってしまう恐れがあります。キャリアを積んだビジネスパーソンの末路として、それでは悲しすぎます。

ライフシフトに活用しやすいのが、現役時代に獲得したスキルです。それを活用して社会に貢献することをライフワークにしたらどうでしょうか? 近年、地方でスタートアップとして起業する若者が増えていますが、そうした若い企業では、法務や経理といった経験豊富なスペシャリストが不足しています。50歳で地元に帰って若い企業に貢献する、なんていう人生も魅力的です。これからの人生100年時代のキャリアを、育児真っ最中の今から考えておくことをオススメします!

まとめ
●子育てのしやすい街へ移動するのではなく変える
●現役時代のスキルはライフシフトに活用できる

PROFILE

安藤哲也

1962年生まれ。2男1女の父親。2006年、NPO法人ファザーリング・ジャパン(FJ)を立ち上げ代表を務める。NPO法人タイガーマスク基金代表。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進チーム顧問、内閣府・男女共同参画推進連携会議委員などその活動は多岐に渡る。新著は『「仕事も家庭も」世代の新・人生戦略「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』(扶桑社)。


文:川島礼二郎

FQ JAPAN VOL.64(2022年秋号)より転載

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