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インタビュー

スティーブ・ジョブズの名言を子育てに応用?ジャンポケ・太田さんが考える親の役割

6/24公開、映画『それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ〜るカーニバル』のテーマは、一歩踏み出す勇気!! オバケタウンの町長とその側近役を演じたジャングルポケットの子育てモットーについて、超マジメにお話を伺った!!

子供がゼッタイ泣き止む
アンパンマンの凄さ

取材第一声、ジャングルポケットの3人は、声を揃えて目を輝かせた。

「アンパンマンは、とにかく凄い存在です!」

何が凄いのか? アンパンマンの凄さといえば、自らの顔を困っている人に差し出すあの慈悲に満ちた愛と勇気だろう。「正義を行うときは、自分が傷つくことを覚悟しなければ行えない」。そう言ったのは原作者のやなせたかし氏だが、子育て中のパパならアンパンマンの凄さはわかりすぎるほどわかっているはずだ。

「どんな子でも、アンパンマンの顔を見せれば、ゼッタイ泣き止む。そして、いい笑顔になる。お出かけ時、うちはいつもアンパンマンと一緒です」(斉藤さん)

「娘は2人とも、パパ・ママよりも先にアンパンマンとしゃべったんじゃないかと思うほど、アンパンマンで育ってます」(太田さん)

「アンパンマンのお陰で、僕らの芸人としてのステージが、1つ上がったように感じています!」(おたけさん)

アンパンマンと共演し、声の出演を果たした3人から、輝くような笑顔が溢れた。


3人が声を担当する、オバケタウンの町長と側近

 

変身が苦手なオバケの男の子・ドロリン
三者三様の寄り添い方

シリーズ33作目のタイトルは、映画『それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ~るカーニバル』。オバケタウンで開催される最高に楽しいお祭りバケールカーニバルを舞台に、変身が苦手なオバケの男の子・ドロリン(声・北川景子さん)がアンパンマンやクリームパンダたちと心あたたまるワクワクの大冒険を繰り広げるお話だ。


北川景子さんが声を担当する、変身が苦手なオバケの男の子・ドロリンとクリームパンダ

ドロリンは、上手に変身するために、毎日毎日必死に努力をしている。しかし、どんなに頑張っても、うまくいかない。そんなことを知らないクリームパンダは、「諦めずに頑張れば、きっとうまくなれるよ」と励ますが、「頑張っているんだよ……オイラだって」とドロリンは悔し涙を流す。

ジャングルポケットの3人なら、落ち込むドロリンにどんなふうに声をかけるのだろうか。

「僕はただそばにいて、話を聞くだけ。それがゴールだと思っています。悩んでいるときは、自分でどうしたいか、本人の中で答えがすでにあるはず。だから他人のアドバイスなんて必要ない。何より話を聞いてもらえることで、心は癒されるものです。僕はそういう存在でありたい。傷を癒したり、慰めることなんて、結局、誰もできない。隣にいてただ寄り添う。それしかないと僕は思っています」(斉藤さん)

さすがは熾烈なオーディションの末に町長役に選ばれた重みと深みのある言葉だ。

「僕がドロリンに言いたいのは、ひとこと『甘えんな!』かな」と、柔道で鍛えられた強い精神力と肉体の持ち主の太田さんの言葉は厳しい。「みんな誰でもいろんな挫折を経験しています。なりたい自分になれる人もいれば、そうじゃない人もいる。いろんな役割がみんなそれぞれにあって、多様性の中で世界は成り立っている。だから、自分ができることをただ最大限にやるだけ。精一杯やるその中で、自分がなれる自分になれ、ということですが、自分の娘たちにそう言えるかは全く自信ありません(笑)」と本音をこぼす。「他人だからこそ、厳しく言えるもの。僕の場合、柔道の先生に言われた厳しい言葉のほうが親よりはるかに素直に聞けたものです。家族じゃない外からの意見って、すごく大事ですね」(太田さん)

そして、大の子供好きとしても有名なおたけさんは、「目の前にこんなに可愛いドロリンちゃんがいたら、きっと『いい子だね、頑張っているね、疲れたのかな、眠いよね〜』と、トコトン甘やかしちゃう。やっぱり頑張っていることは褒めてあげたいなあ〜」。

安全にやろうと思うのは
1番危険な落とし穴だ

「うちは早産だったので、生まれてすぐにNICU(新生児集中治療室)に入り、他の子よりも体が小さいんです。そんな息子もお陰様で2歳になりました。少しでも体を丈夫にしたくて、時間あったらすぐ外に連れて出し、積極的に体を動かしています。新宿御苑とか自然があるところで過ごすことも多く、この夏もいっぱい自然の中に連れて行きたいですね」(斉藤さん)

「僕は、子供たちに何かを教えるのではなく、『今日はどんな失敗をしたの?』と聞くようにしています。失敗するには、何かにチャレンジしないといけないですよね。失敗が何よりも大事です。なんでもいいから失敗したことを話してね、と娘たちに言っています。人生、常にトライアンドエラー。“安全にやろうと思うのは、1番危険な落とし穴だ”ってね。これはスティーブ・ジョブズの言葉ですが(笑)。そうすると娘たちは失敗がイヤじゃなくなる。『パパ、失敗しちゃった……でもトライしたからね!』って。我ながらこれってすごくいい教育だなと思う。安全な範囲で失敗させてあげられるのが、親の役割だと思っています」(太田さん)

「スティーブ・ジョブズさん、さすがですねー。僕も子供が生まれたら見習いたい」(おたけさん)

ちなみに、アンパンマンはドロリンにどう伝えたのだろうか。アンパンマンは、自分の過去を振り返り、ドロリンに話した。さてその後、ドロリンはどうなったのか? 家族で映画館に行き、ドロリンのその姿を観てほしい。

人は、自分のためじゃなく、みんなの笑顔のためなら頑張れるものだ。世界中のパパ・ママは、子供の笑顔が見たくて今日も明日も頑張れる。世界中のパパ・ママこそが子供たちにとっての凄いアンパンマンなのかもしれない。
 

DATA

映画『それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ〜るカーニバル』
6月24日(金)より元気100倍!全国ロードショー


今回の舞台は〈バケールカーニバル〉! どんなものにも変身できる、かわいくて愉快なオバケたちの街・オバケタウンで開催される楽しいお祭りです! 子どもたちは、遊園地のような華やかでワクワクするバケールカーニバルを心から楽しみます。ところが、変身が苦手なオバケの男の子・ドロリンだけは楽しむことができず、ひとりぼっちに…。そんなドロリンはクリームパンダと出会い、ときにはぶつかり合いながらも絆を深めていきます。彼らは世界一の変身パワーを秘めた〈まっくろマント〉を探しに“おぞましの森”へと向かいますが、そこにばいきんまんが現れマントの力でバケールカーニバルをめちゃくちゃにしようと大暴れ! アンパンマンたちはばいきんまんから楽しいバケールカーニバルを守ることができるのでしょうか?

声の出演:アンパンマン/戸田恵子 ばいきんまん/中尾隆聖 他
声のゲスト出演:ドロリン/北川景子、町長/斉藤慎二 側近A/おたけ 側近B/太田博久(ジャングルポケット)
原作:やなせたかし(フレーベル館刊)
配給:東京テアトル
HP2022年 映画『それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ〜るカーニバル』公式サイト

©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2022

 

PROFILE

ジャングルポケット

斉藤慎二
1982年生まれ、千葉県出身。ジャングルポケットのボケ担当。2013年に結婚、2歳の男の子のパパ。

太田博久
1983年生まれ、愛知県出身。ジャングルポケットの小ボケ兼ツッコミ、ネタ作り担当。2015年に結婚、5歳の女の子、2歳の女の子のパパ。2017年には、妻の近藤千尋とともに「第10回 ペアレンティングアワード」カップル部門を受賞。

おたけ
1982年生まれ、東京都出身。ジャングルポケットの小ボケ担当。2021年に結婚。
 


写真/松尾夏樹
文/脇谷美佳子
スタイリング/岩切歩(エッグスピース)
ヘア&メイク/馬地えみ

 

FQ JAPAN VOL.63(2022年夏号)より転載

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