管理栄養士が教えるパパの健康的な食生活と献立つくりのヒント
2021/10/25
栄養バランスの良い食事を取る生活を続ければ健康を維持しやすい。そうなれば、わが子とずっと楽しく遊べるはずに違いない。そこで今回は、食事と健康のプロフェッショナルに、健康を考えた食事について伺った。
栄養バランスの良い食事で
5大栄養素を適量取る
栄養バランスの良い食事とは、5大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル)を適量補える食事のことである。厚生労働省により食事摂取基準として性別・年代に合わせて示されているが、数字通りに毎回の食事を取るのは現実的に難しい。
また、理想的な栄養摂取の指標であるPFCバランスの割合(※図1)を見ても、現代人は偏った食生活になっていることがわかる。
PFC熱量比率の変遷 ※図1
食事の中で、たんぱく質・脂質・炭水化物をどれくらい摂取しているかを表す栄養指標。昭和50年から比べると、現在は、脂質の過剰摂取とコメなどの炭水化物の摂取不足が見られるなどバランスが崩れてきている。
では、健康的な食生活を送るためにはどうすればいいのだろう。「1回の食事ごとに栄養バランスを突き詰めて考えてしまうと食事が楽しくなくなってしまいます。大切なのはトータルバランスが取れていること。ランチを食べ過ぎたら夕食を軽いものにして調整すれば良いのです。ストイックになり過ぎずに1日全体の食事でコントロールする、というのがコツです。
献立としては、主食と汁物、それに3つの菜(おかず)という一汁三菜が基本。しかし、一汁三菜にこだわる必要はありません。食事のなかにバランス良く5大栄養素を組み合わせる、というイメージを持つことから始めましょう」。(杉林さん)
栄養バランスの良い食事を取ることは、メタボリックシンドロームや生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病)の予防に繋がる。栄養バランスを改善せずに40代に突入してしまうと、疾患の積み重ねにより、高血圧・糖尿病→心筋梗塞に至る危険性もあるのだとか。
「いつも元気なパパ」でいるためにも、毎日の食生活の見直しからはじめてみよう。
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教えてくれた人
株式会社 おいしい健康 管理栄養士
杉林 沙知子さん
約10年ほど国立病院、大学病院で管理栄養士業務に従事。急性期から回復期まで様々な疾患に対する医療を提供する病院で、献立作成・栄養相談等の栄養管理業務の経験を積む。2021年より現職。
文:川島礼二郎
FQ JAPAN VOL.60(2021年秋号)より転載