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インタビュー

【トップ対談】赤ちゃん本舗×サラヤ「子育て家族のためにできること」 取り組みと展望

長引くコロナの影響による不安から、出生数の減少が続く現在。そんな中で生まれてくる命とその家族たちを応援するには何ができるのか。日本を代表する子育て支援企業2人のトップに今後のビジョン等を伺った。

株式会社 赤ちゃん本舗 代表取締役社長
味志謙司さん(以下、味志・写真左)

サラヤ株式会社 代表取締役社長
更家悠介さん(以下、更家・写真右)

パパ・ママの不安を払拭し
家族で笑顔になれる支援を

――コロナ禍で子育て世帯にどんな支援を続けられましたか?

味志: 店が閉まると出産や子育ての必需品が用意できなくなるので、当店は子育てのライフラインであることをご理解いただき営業を続けました。また、来店を控えたい方のためのオンラインサポートを充実。ECサイトはもちろん、「スマホdeサポート」というサービスを始め、店舗とご自宅をオンラインでつなぎ商品説明をしています。

更家: 手指消毒剤の需要になんとか応えようと、医療用から一般家庭用までフル生産で対応し続けました。また、家庭内感染を減らすため、正しい知識を身に着けてもらえるように情報を公開し、冊子のダウンロードも可能にしました。少しでも安心して出産・子育てをしてほしいと思います。

味志: 家族で笑顔になれるよう、お子さんのお誕生日会で使える素材や、以前は店舗で行っていた手形スタンプの台紙もホームページ内に用意しました。また、行政や病院の両親学級が中止されて困っている方たちのために「出産準備マタニティスクール」という動画を制作し、配信しています。

更家: 最近は自然派甘味料「ラカントS」以外にも、低糖質のお米やカフェインレスのドリンクなど健康につながる食品の開発にも力を入れています。

味志: 弊社も「食と暮らしと育み」というテーマで、マーチャンダイジング(MD)の領域を拡大したいと考えています。妊娠中の方、さらに妊活中の方などの体づくりにも貢献したいと思っています。

更家: それは素晴らしいですね。妊娠中の栄養摂取は「葉酸」の他にもあるし、逆に糖質など抑えたいものもあります。ぜひ一緒に研究して商品化しましょう!

更家悠介さん

テクノロジーで育児負担を軽減
子供と笑顔で過ごして!

――いま話題の(ベビーテック)についても教えてください。

味志: ベビーテックとはベビーとテクノロジーを合わせた造語。センサー、画像などを使い子育てをサポートする商品やサービスのことです。例えば、寝返りによるリスクを見守るセンサーや泣き声から理由を診断するものなど。テクノロジーで少しでもパパ・ママのストレスが緩和され、育児が楽になり赤ちゃんとの楽しい時間を過ごしてほしいと願っています。

更家: 最近は予防医学が重視されていますが、発病前にリスクを測れるアプリなど、お子さんの症状で受診すべきか迷う時、家で早期診断ができ受診の目安がわかるものができるとよいと思っています。

味志: 日本の子育ては「こうあるべき」という固定概念に縛られがちですが、危険を察知するなど、テクノロジーで解決できることもあるよと伝えていきたいです。

更家: 何事もまずははじめないとですね。今後が楽しみです!

SDGsの取り組み

味志: 子育てを総合支援することこそ、持続可能な未来を目指すSDGsになります。つまり、私たちの本業の1つ1つがSDGsのゴールに向けて並走するものだと考え、社内にも社外にも伝えていく予定です。

更家: サラヤはかねてより地球環境課題、社会的課題などSDGsに対応しています。ウガンダなど途上国の妊産婦や子供たちの命を守る衛生の普及事業支援に売り上げの一部を寄付していますが、その他にもボルネオ島での生物多様性保全活動にも長年取り組んでいます。

妊産婦のヘルスケア

味志: 食の分野においてママ向けの食品に注目し、「葉酸」「鉄」「カルシウム」など、妊産婦さんに必要な栄養素別に商品を並べるなどチャレンジを始めています。今後は妊娠前の女性の体づくりに役立つ「プレコンセプションケア」も広げていきたいです。

更家: 妊産婦さんが安心して使えるよう、化学成分を極力使わないナチュラルなものづくりにこだわってきましたが、今後は食品開発を推進する予定です。糖質を抑えたい、適切な栄養を摂りたい、ストレスを軽減したいなど妊産婦さんが健康に過ごせる商品を増やしたいです。

グローバル展開

味志: 現在は台湾に1号店をオープン。近い将来に、複数店舗にしたいと考えています。ECサイトも台湾で始まる予定です。赤ちゃんに対する知見が深まってきている現在、海外展開することは社会的にも大事なことだと思っており、アジア圏を中心に今後の展開を考えていきたいです。

更家: 生物多様性の保全活動、プラスチック海洋汚染問題などグローバルな社会問題に対応しています。販路の海外展開は中国、ベトナム、タイ、マレーシアなどアジア圏の他、ロシアでも販売。高品質で安心なベビーケア用品が支持されています。

コロナ禍での
両社の取り組み

赤ちゃん本舗の取組み

スマホdeサポート

自宅にいながらZoomで店とつながり画面を見ながら商品説明を受けられる。来店を控えたい人や店が遠い人に好評。

マタニティアドバイザー

各店に最大2名、全国に約200名の「マタニティアドバイザー」を配置。個々のニーズに寄り添いお買い物を支援。

サラヤの取組み

家庭内感染を防ぐ情報を提供

情報が氾濫して困るという声に応えて、家庭内感染を防ぐための正しい情報を整理して提供。漫画版も。

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