沐浴から離乳食、寝かしつけまで総まとめ! 乳児期に“パパができる”14のこと
2020/11/02
11 ベビーサイン
赤ちゃんとの
コミュニケーションがスムーズに
おしゃべり前の赤ちゃんとコミュニケーションをとるのに便利なのが、簡単な手話やジェスチャーを使った育児法「ベビーサイン」だ。普段の語りかけにベビーサインを添えて赤ちゃんに見せていくことで、自然とその意味を理解してコミュニケーションがとれるようになる。
お座りできる生後半年くらいからが適齢で、大体1~3ヶ月程度でサインを覚え、使い出す。赤ちゃんが使いたがりそうなサインを選ぶことが大切。意思疎通ができれば、赤ちゃんの世話が一層楽しくなり、育児にも自信が持てるようになるはずだ。
もっと
両手の指先をすぼめて、トントンと触れ合わせる。喜んだことを繰り返す時に使う。「もっとする?」「もう一回やってみる?」など。
帽子
片手で頭をトントンと触る。おでかけの時、「帽子をかぶって出かけようね」と帽子をかぶせよう。「お外へ行き
たい」と赤ちゃんからのリクエストとして使われることも。
パパ
開いた片手の親指をおでこにトントン。サインを教えるときは、実物ではなく、写真に写っている父親を見せなが
ら「これはパパだね」と教えると赤ちゃんも理解しやすい。
お風呂
軽く握った両手で体をゴシゴシ。「さあ、お風呂に入るぞ~」と、赤ちゃんをお風呂に誘うときに使ってみよう。
おやつ
片手のひらの上でクッキーの型を取るように動かす。お腹が空いていそうなときに、「おやつ食べる?」と聞きながらサインをし、赤ちゃん用のおやつを与え、教える。
情報提供
一般社団法人日本ベビーサイン協会
12 あやす・遊ぶ
くりかえし遊びで
親子の信頼関係をつくる
赤ちゃんにとって「遊び」は、心身の発達を促す大切な生活習慣の1つ。成長に合わせた遊びを実践してあげたいものだ。しかし、「どうやって遊んでいいのかわからない」というパパも少なくないだろう。
そんな悩めるパパたちに向けセミナー「赤ちゃんと遊ぼう」を各地で開催する、奈良県のNPO法人「パパちから応援隊」代表の赤松邦子さん。セミナーは、生後2ヶ月から楽しめる「あやし遊び」、パパが得意な「体を使った遊び」、身近にある材料を使う「手づくりおもちゃ」の計3回。今回は、その中から数例をピックアップして紹介しよう。
パパが赤ちゃんと遊ぶときのコツと注意点について、赤松さんに聞いた。「赤ちゃんが飽きるまで何度か繰り返してみてください。赤ちゃんの願いを叶えてくれるパパが大好きになります。パパは無言で動作しがち。声をかけながら遊んでくださいね。
とはいえ、赤ちゃんが喜んでいるからといって、激しい動きには要注意。パパの得意分野として、動きのある遊びをしがちですが、“揺さぶり症候群”を防ぐためには、「ゆっくり、やさしく」が基本です。馴れないうちは、立たないで座ったままであやしましょう」。
生後2ヶ月頃~
ぐーぱーぐーぱー(にぎにぎ)
手を開いたり閉じたりするだけのあやし遊び。赤ちゃんと目をあわせ、パパの顔の横でぐーぱーの動作をしながら「にぎにぎ」とゆっくり声をかける。月齢が進むと自分で手を動かすようになる。
生後3~4ヶ月頃~
口遊び
噛む力や舌の力が鍛えられ、言葉の発達にもつながる口を動かす遊び。舌で上唇を “れぇろれぇろれぇろ”と言いながらなぞる。破裂音を楽しませる“ぱっぱっぱ”、「あー」と声を出しながら、手のひらで口をたたく“あわわわわ”など。
首がすわったら
ひこうきぶんぶん
パパのすねの上に赤ちゃんをうつ伏せに乗せて、手で赤ちゃんを支える。「ひこうきぶんぶん」と言いながら赤ちゃんをゆする。バランス感覚が養われ、背筋の力がつく。馴れるまではパパが手を添えて。安全ポイントはパパの両膝が開かないように。
おうまぱかぱか・うさぎぴょんぴょん
パパの膝の上や太ももの上に、赤ちゃんを座らせて「おうまぱかぱか」、立たせるように「うさぎぴょんぴょん」と声をかけながらパパの膝をバウンドさせる。最初は脚をつっぱっていた赤ちゃんも、だんだんと自分で楽しむようになる。
生後6ヶ月頃~
いない、いない、いた
「いない、いない、ばぁ」の方が一般的だが、「パパの顔が見えなくなってさびしい」という状態から、「出てきてうれしい」という感情を育てる遊び。赤ちゃんのパパを待つ気持ちには逆効果なので変顔をしてあげるのは2歳頃から。
シーツ遊び
パパとママが協力して行う遊び。シーツの上に赤ちゃんを寝かせるか、おすわり期なら座らせて、シーツの端を持って少し持ちあげて、左右にゆらゆらとやさしく動かす「ハンモック遊び」も。
教えてくれた人
赤松邦子さん
1959年生まれ。NPO法人パパちから応援隊代表。幼稚園教諭の経験を生かし、子育て支援、親支援を始めて23年。受賞歴に、2010年「第32回母子保健奨励賞」、2019年「第10回奈良県 あしたのなら表彰」など。
13 外気浴
新鮮な空気に触れて
五感を刺激する
生後1ヶ月を過ぎたら、少しずつ外の空気に慣れさせてあげよう。外気浴=日光浴ではなく、新鮮な空気に触れることが目的。はじめは室内で窓を開けて過ごし、次の段階で、ベランダや庭などで1日5分程度過ごしてみる。さらに慣れてきたら、ベビーカーや抱っこで散歩へ。
五感への刺激、体温調節機能の向上、生活リズムの定着など、外気浴は赤ちゃんにとって様々な好影響が。パパが赤ちゃんと一緒に散歩に行き、ママのフリータイムを作ってあげることも大切だ。
14 寝かしつけ
覚悟と根気を持って
チャレンジしよう
「昼寝を3回している赤ちゃんなら、夜を含め1日4回。そのうちの1回でもパパが代われるようになれば、ママの大きな助けになります」と語るのは、乳幼児睡眠コンサルタントの和氣さん。寝かしつけでは、タイミング、光、体温が鍵を握るという。
「適切なタイミングで寝かせることが大切。赤ちゃんは眠くなりすぎても寝られなくなってしまいます。そして、脳を覚醒させる光は避けること。寝かしつけたい時間の1時間前には、部屋を暗くしてゆったり過ごしましょう。布団に入るのは、入浴後45分~1時間後が目安。ヒトは体温を下げて眠るので、お風呂で温まった身体が元の体温まで下がるときに寝かしつけるとスムーズです」。
赤ちゃんは“いつも同じ”であることを好むため、普段のやり方をママに聞いておくことも重要だ。「ママがいつも苦労しているのに、パパならあっさり寝た!というケースも実はよくあります。根気よく、優しい気持ちでチャレンジしてみましょう」。
寝かしつけの手順
Step1 予告する
いつもはママと一緒に寝ているとしたら、急にパパが出てくると赤ちゃんもビックリしてしまう。「今日はパパと寝ようね」などと、必ず予告をしておくことが大切だ。
Step2 ママと同じルーティーンにする
寝る前のルーティンは、スムーズな寝かしつけに必須。赤ちゃんの気持ちが落ち着いて、眠りにつきやすくなる。例えば、入浴→歯磨き→絵本など、ママと同じ流れで寝室に連れていくようにしよう。
Step3 ママと同じように寝かしつけをしてみる
寝る前のルーティンが大切なのと同様、寝かしつけも“いつもどおり”が基本。いつも授乳で寝かしつけている場合は、パパにできる最大限のスキンシップである“抱っこ”で寝かしつけに挑戦してみよう。
Step4 泣かれても諦めない
「パパでも眠れる子」になってもらうためには、「パパでも寝られた」という経験が大事。泣かれても諦めず、泣き疲れて眠るまで2~3時間でもやり続けるという覚悟と根性が必要だ。
寝かしつけで守りたい5つのルール
●スマホは絶対に操作しない
スマホの光が脳を覚醒させてしまい、眠りの妨げになってしまう。
●声を荒げない
イライラしても声には出さずグッと我慢。イライラが伝わると、赤ちゃんの気持ちが不安定になって余計に眠りにつけなくなってしまう。
●必要以上に話しかけない
「かわいいね」など、つい声をかけたくなってしまうけれど、寝る時は控えよう。話しかけられると「まだ遊んでいい時間なのかな?」と赤ちゃんが勘違いしてしまう。寝る時間だと境界線を引くように。
●ママを呼びにいかない
すぐに諦めてママを呼びに行ってしまうと、赤ちゃんにとって「パパでは寝られなかった」という経験になってしまう。必要なときは、ドアのノックなどのサインで呼ぶようにすること。
●すぐに置かない・出ていかない
深い眠りに入り始めるのは寝つきから15分後くらい。タイミングを待とう。
教えてくれた人
和氣春花(ねんねママ)さん
乳幼児睡眠コンサルタント(米国IPHI国際認定資格保持)。夜泣きや寝かしつけ対策のコツを紹介するYouTube
チャンネル「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」はチャンネル登録者数1.5万人を突破。
文:曽田夕紀子(株式会社ミゲル)
FQ JAPAN VOL.56(2020年秋号)より転載