睡眠に強迫観念を持ってない? 新米パパ必見、子供の寝かしつけ講座
2018/10/16
なぜ赤ちゃんは夜泣きをするの? いつから始まるの? FQ編集部にたくさん寄せられるそんな悩みを解決すべく、日本子ども健康科学会理事、子どもの早起きをすすめる会発起人の神山潤先生に夜泣きの仕組みと寝かしつけ方を伺った。
寝ることの喜びを
我が子に教えよう
「たとえばパパが〝明日は仕事が早いから寝なきゃ〞とか〝寝ないと疲れがとれない〞とか、睡眠に対して何か強迫観念のようなものを持っていませんか?
睡眠は義務ではなく、快楽。寝ることは、食べることと同じように、とても気持ちのいい最高の〝快楽〞です。だから、寝ることの楽しさと喜びを子供に教え、共有するのが、子育ての第一歩かもしれませんね」と話してくれたのは、東京ベイ・浦安市川医療センターで睡眠外来の診察を行う神山潤先生。
「お父さんが、それまでの人生で〝努力すれば報われる〞なんて頑張ってきたタイプなら、子育てはつらいでしょうね。なぜなら、自分の思い通りにはいかないことの連続ですから。
子育ては、信じていた価値観がガラガラッと音を立てて崩壊し、新しい価値観を1から構築し直す素晴らしい経験。大変ですけど(笑)。夜泣きも同じ。必死にあやしても、赤ちゃんは泣きたいから泣いているだけです」。
泣き止ませようとするのは、自分の思い通りに赤ちゃんをコントロールしようとするエゴなのかもしれない。
「夜泣きは、いずれ必ずおさまります。これほど親が子供に必要とされる時期は今しかありません。この限定された〝今〞を楽しみましょう」。
夜泣きするのはあたりまえ
赤ちゃんの睡眠リズム
赤ちゃんの睡眠は大人とは違う。大人は、ノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)のサイクルが約90分だが、生まれたばかりの赤ちゃんは40〜50分で(上のグラフ参照)、眠りも浅い。眠りが浅くなった時に次の深い眠りへの切り替えがまだ上手にできないから、目を覚ましてしまう。
「なかなか寝ないからといって、イライラすると、それが赤ちゃんに伝わって悪循環に陥ります。こうすれば泣き止むという夜泣き対策決定版が欲しいのはよくわかりますが、夜泣き外来に来るお母さんの悩みを私がただ聞いただけで、赤ちゃんの夜泣きがおさまったりするものなんです。
だから、パパがママの話を聞いて、子育ての大変さを理解し手助けするだけで、問題が解決する場合もあるんですよ」。
夜泣きには、夫婦が手をとりあい、協力し合って向き合うのが一番の解決方法なのかもしれない。