学校でのいじめはなぜ起こる? 子供の「共感力」を伸ばせるかが分かれ道
2020/01/25
いじめられる理由はほんの些細なことが多い。“いじめ”というものは、被害者の反応を楽しんでいるからこそ起こるものだと言える。子供が学校でいじめにあっているかもしれない!そんなときにパパママが取るべき正しい行動とは?
アメリカ・テネシー州の新入生は、毎日同じ上着を着ている、という理由だけでいじめの対象となった。貧乏な家庭であったため、彼は上着をほとんど持っていなかったのだ。
彼のクラスメイトである2人の少年が、いじめを解決するために立ち上がった。彼らはいじめられっ子のために、靴、上着、そしてズボンを持ってきてあげたのだ。小さな行動ではあるが、いじめに対して立ち上がってくれた、といえる。
親にできることは?
クラスメイトがいじめから助けてくれるケースは分かったが、パパママにできることはあるのだろうか。
子供がいじめの被害にあうことを予防するために取るべき方法は多くあるが、それには時間がかかってしまう。
子供に「共感力」について教えることに早すぎるということはない。自己の感情と他者の感情を理解できる子供は、いじめの加害者になりにくい。そうした子供は健全な人間関係を築くことができるし、怒りをコントロールする術を持つからだ。
また、より重要なことは、模範を示すことだ。
親の行動を見て、子供たちは社会行動のヒントを得るものだ。パパママ、家族、あるいはお店の店員にどのように接するのか、子供たちはよく見ている。
精神的・身体的な障害を持つ人に対してパパママがどのように接しているのか、子供たちはよく見ている。もし異なる人種や性別に対して偏見を持っていれば、子供たちはその態度を真似るだろう。そうした態度が許容される、と判断するからだ。
我が子がいじめの標的に!
そんなときは?
ときには、子供がいじめられていることが明白なこともあるだろう。パパママに洗いざらい話すかもしれないが、そうでない場合もある。
例えば、自分がいじめのターゲットとなってしまったことを恥ずかしいことだと感じている場合、子供は親にそのことを話したがらない。
親子間で、いつでも何でも話せる良好な関係を築いておくことが必要だ。そうすることで、子供も自分に何が起きているかを打ち明けやすくなるに違いない。
子供がいじめられていることが判明したときには
何でも真剣に受け止めないことが重要だ、と子供に教えてあげよう。
いじめは、被害者の反応を楽しんでいるからこそ起こることが多い。子供たちには、こうしたいじめっ子の心理に油を注ぐようなことのないように振る舞う大切さを教えてみよう。
「距離を置きなさい」という言葉は、いじめのために作られたようなものだ。ついでに、自分を守るために必要なことは何でも言う権利があるということも教えてあげる必要がある。自分が理不尽な扱いを受けているときには、「いやだ」や「やめて」と言うことに何の問題もない。
これまで述べたことは、いじめ対策のほんの一部にすぎない。いじめの深刻さや関与している子供の性格によって、最適な対応方法は異なるだろう。だが、どんなケースにおいても、最も重要なのは子供の声に耳を傾けることである。
Text:アレクシス・デ・リーバー
イギリスの育児雑誌「FQUK」より転載
父親の育児雑誌『FQ JAPAN』の兄弟誌。セレブパパの子育てインタビューや、最新の育児アイテム、お出かけ情報などを配信している。